~東洋医学~
東洋医学は、哲学背景が西洋医学とは全く異なり
東洋医学独自の基礎医学、診断学、治療学があります
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西洋医学
(現代医学) |
東洋医学
(伝統医学) |
哲学背景
(人体観) |
科学主義 |
陰陽論・五行論 |
基礎医学
(健康観)
(疾病観) |
解剖学
生理学
病理学 |
五行の色体表
蔵象学
病因 病理 病証 |
診断学 |
「傷病名」の決定.鑑別
血液検査
画像診
(レントゲン、MRI等) |
「証」の決定.鑑別
望診 聞診
問診 切診
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治療学 |
「傷病名」に従い治療
西洋薬
手術 |
「証」に従い治療
漢方薬
鍼灸
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-東洋医学の基礎知識-
-東洋医学の基礎知識-
●心身一体
東洋医学は別名「心身一体の医学」ともいわれ、心と身体はつながっていると考えられています。
身体が疲れていたり、どこかに痛みがあると、こころが沈んでしまうことがあります。
また、ストレスを感じると、眠れなくなったり、胃が痛くなることがあります。
身体の不調は心に影響し、また心の「乱れ」が身体に影響すると考ています。身体の治療をすることで、心も癒され「心も身体も」リフレッシュするのはこのためです。
●からだ全体を診る
東洋医学では、「身体は全体が複雑につながり合い、絶妙のバランスで健康を維持している」と考えます。病気の症状が出るのは、この「身体全体のバランスの乱れ」が原因と考えます。たとえば、特定の箇所に症状がある場合でも、お話を聞き、脈診、腹診などで身体全体を診て原因を見つけていきます。身体全体がつながっているので、症状とは一見関係のなさそうなことも、東洋医学では重要な意味を持つことがあります。身体のバランスの乱れを整えることが治療となります。
● 治未病 (みびょうち)
自然界の全ての生き物は、四季、風土など自然環境の規律と秩序に従って活動しています。人間も、本来は自然界の一部ですから、この自然と調和した生活を送らなければなりません。しかし、現代に生きる私たちは、自然のリズムに合った生活をすることは、難しいのが現状です。人は夜遅くまで仕事をしたり、暴飲暴食をしたりと、身体に無理をかけています。このような状況では、健康は自分から積極的に求めなければ、維持することはできません。そのため、近頃では、病気というほどではないが、体調がすぐれないと訴える人が多くみうけられ、これは身体のバランスが乱れ始めたサインです。
東洋医学は昔から、病気になる前の「身体の微妙なサイン」をとらえ、病気を予防をする「治未病」を最大の目標として発展してきました。
はり灸治療で、現代生活と調和した身体を作り、健康を取り戻しましょう。
● 五臓のバランス
【五臓】
五臓とは「肝、心、脾、肺、腎」の5つ。
目には見えないが、身体とこころの働きを分担している東洋医学の根本。
五臓はお互いに作用しながら、絶妙なバランスで健康を維持しています。身体や心に無理をかけると、その人の「弱い所」に負担がかかり、このバランスが乱れてしまいます。
「健康=五臓のバランス」には、「弱い所」を強くしていく事と、「養生」が大切です。
五臓 |
はたらき |
肝 |
血を蔵し、全身に分配し栄養を与える
精神活動(こころ)を安定させる
筋を主り、筋の運動機能の調節を行う
目、涙、爪、怒りなどと関係が深い |
心 |
血脈を主り、脈を介して血の運行を推動する
睡眠を正常に保つ
舌、汗、面色、喜びなどと関係が深い
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脾 |
栄を蔵し後天の本となる
飲食物を消化・吸収し気血を生成する源
津液を造り出す
口、肌肉、思などと関係が深い |
肺 |
気を主り、全身に巡らせる
呼吸を主る
皮膚を正常に保ち体外から身体を守る
鼻、皮毛、憂などと関係が深い |
腎 |
生命力・成長・生殖力の根源 五臓の本
生命力の根源である元気をもたらす
津液を主り、体内での水分代謝を調節する
耳、髪、腰、恐などと関係が深い |
※西洋医学の肝臓、心臓、脾臓、肺、腎臓とは異なります
● 気・血・津液
身体を構成し、生命活動を維持する基本的な物質を「気」「血」「津液」といいます。
「気」「血」「津液」は全身を巡り、人体の生命活動を維持しています。
これらに過不足が無くバランスがとれていること。そして、滞りなく全身を流れていることで身体全体のバランスが保たれ、健康が維持されていると考えられています。
【気】
生命活動を維持して活動させるエネルギー
滞りなく全身を巡り、身体を温める。また、血や津液を巡らせる働きを持つ。
【血】
脈中を流れる赤色の液状物
身体が円滑に働くように、身体の隅々に栄養を運びその活動を支える。
【津液】
体内の正常な水分の総称
血を構成する重要な一成分でもある。
体表面や体内部をめぐり身体を潤し、滋養する作用を持つ。不要なものは、汗や尿となり排泄される。
● はり灸治療
東洋医学では、「気・血は経絡の中を通り、全身を巡る。経絡は、全身へ張り巡らされ、臓腑(五臓)へとつながっている。」と考えられています。
はり灸治療は、この、気・血の通り道である、経絡の各所にあるポイント「経穴(ツボ)」に鍼・灸を施すことで、「気血津液の巡り」 「五臓のバランス」整えます。これにより身体全体のバランスが整うことで、”身体の持つ本来の力” が引き出され健康になると考えられています。
詳しくはこちら「はり灸治療」
● 世界で注目される東洋療法 「鍼灸」
アメリカやヨーロッパで浸透し始めた鍼灸は、1997年にはNIH(米国 国立衛生研究所)から、鍼の有効性に関する見解が発表されました。鍼灸療法の病気に対する効果と、その科学的根拠が認められ、西洋医学の代替療法として一定の範囲において有効であると発表されました。WHO(世界保健機構)でも、様々な症状や疾患について鍼灸療法の有効性を認めています。東洋療法としての鍼灸は、治療としてはもちろんのこと、健康意識の高まりから、予防医学としても益々注目されています。
(鍼灸 FACT BOOK より /鍼灸医療研究会)
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