【読み下し】
『一つ、町々水溜桶へ町名書くべきは勿論、何町(丁)目と申す迄、書き記し申すべく候。且つ、一丁(町)限り家主の内、順番を立て、毎月たとえば一(の日)、六(の日)とか、その町内申し合せ、いずれにも六度ほど定めて見廻り、桶損じ候はば繕(つくろ)わせ、水足らざれば汲み入れさせ申すべく候。
但し、桶墨塗りは白、木地は墨にて町名書くべし。縄巻、菰(こも)、筵(むしろ)にて包み候は、板へ町名書き記し、
相付け置き申すべく候。
右は、御見廻り方差し出され候砌(みぎり)、未熟の場所は相分り、且つ、他国者へ町名安く弁利(便利)にも相なり
候につき、先月二十七日、御内(おうち)寄合(よりあい)にて仰せ渡され候旨、樽与左衛門殿申し渡され候。
右は、来る十五日迄に相揃え申すべく候。右(の)否(いな)甚四郎方へ仰せ聞かさるべく候。
十一月朔日』
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