■栗田 彰■

【町触】 明暦三(一六五七)年九月二十日

『 覚
  一町中大下水道さらへ、ちりあくた銘々之所
ニ而取上、下水滞なく流候様ニ可仕事
  一表之雨落下水道之義も、年を入浚可申候、上水
悪水入候之間、町中申合、早々さらへ可申候事
   右二ヶ条之趣慥承届申候間、町中之者共
為申聞、下水早々浚させ可申候、為其、月行事御帳判形仕候、以上
     九月廿九日』


※注=原文中の赤字は本来小さい字ですが、ソフトによっては化ける危険性があるので同じフォントにしてあります。

【読み下し】
『 覚
 一つ、町中(まちじゅう)大下水道浚え、塵芥銘々の所にて取り上げ、下水滞り無く流れ候ように仕るべく候こと
 一つ、表の雨落下水道の儀も、念を入れ浚え申すべく候。上水へ悪水入り候間、町中申し合わせ、早々に浚え申すべく
     候。
       右、二か条の趣き慥(たしか)に承け届き申し候間、町中の者どもに申し聞かせ、下水、早々に浚え申すべく
       候。その為、月行事(がちぎょうじ)御帳に判形仕り候。以上。
        九月二十九日』

【町触】 寛政七(一七九五)年十一月朔日

『一町々水溜桶町銘可書ハ勿論、何町目と申迄書記可申候、且壱丁限家主之内順番を立、毎月縦令は一六と歟其町 内申合、何レニも六度程定而見廻、桶損候ハヽ為繕、水不足為汲入可申候
  但、桶墨塗
白、きし墨にて町名可書、縄巻菰筵ニ而包候町銘書記、相附置可申候
  右ハ御見廻方被差出候砌、未熟之場所
相分、且他国もの町銘安く弁利も相成候付、先月廿七日御内寄合
  
ニ而被仰渡候旨、樽与左衛門殿被申渡候
  右
来十五日迄相揃可申候、右否甚四郎方可被仰聞候
    十一月朔日』


※注=原文中の赤字は本来小さい字ですが、ソフトによっては化ける危険性があるので同じフォントにしてあります。

【読み下し】
『一つ、町々水溜桶へ町名書くべきは勿論、何町(丁)目と申す迄、書き記し申すべく候。且つ、一丁(町)限り家主の内、順番を立て、毎月たとえば一(の日)、六(の日)とか、その町内申し合せ、いずれにも六度ほど定めて見廻り、桶損じ候はば繕(つくろ)わせ、水足らざれば汲み入れさせ申すべく候。
    但し、桶墨塗りは白、木地は墨にて町名書くべし。縄巻、菰(こも)、筵(むしろ)にて包み候は、板へ町名書き記し、
    相付け置き申すべく候。
    右は、御見廻り方差し出され候砌(みぎり)、未熟の場所は相分り、且つ、他国者へ町名安く弁利(便利)にも相なり
    候につき、先月二十七日、御内(おうち)寄合(よりあい)にて仰せ渡され候旨、樽与左衛門殿申し渡され候。
    右は、来る十五日迄に相揃え申すべく候。右(の)否(いな)甚四郎方へ仰せ聞かさるべく候。
      十一月朔日』

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