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山荘だよりVol. 6
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Vol.12                     

Vol. 6の内容

○2006年度秋軽井沢ナショナルトラスト会員向別荘ウオッチング

○野生動物たちの受難

○“われもこうの会”草取り作業 秋晴れに恵まれて・・・。 10/2  '11

○小諸菫 こもろすみれ 10/4  '11


○太郎山S様山荘プロジェクト完成祝賀 12/27 '11


○細川護光作陶展 於:軽井沢追分゛土楽” 8/9 ’12







2006年度秋

〜軽井沢ナショナルトラスト会員向け別荘ウォッチング〜


10月21日(土)秋晴れの午後、恒例の会員向け建築遺跡ウォッチングが開催された。


旧軽ロータリーからショー師の別荘があった大塚山(だいづかやま)へ至るショー通りへ、途中、明治26年築の日本人別荘第一号の八田別荘を見る。

旧軽テニスコート東脇の「ロストボールレーン」を覗く。大塚山の下を抜け、二手橋へ。
二手橋から水源地の道へ出て、矢ケ崎川沿いの「鳩鳴荘」と「小さな森の家、吉村山荘」へ。

吉ヶ沢の小さな沢に沿って山道を登る。日本のユースホステル発祥の地「軽井沢ユースホステル」へ、更に登り上げるとS邸(中山道にあった江戸時代の旅籠木曾屋(現旧軽の郵便局辺りに在った由)へ。
ここまで来ると、まさに別世界、今でも獣達と共生の地の趣。


水源地の道へ戻り、矢ヶ崎川に沿って頂上の愛宕浄水場へ出る。
ここから愛宕山麓を下る。

途中、女子聖学院の山荘、レーモンド建築のアダチ別荘を見て水車の道へ出る。

締めは吉村先生設計の会員参加Kさん宅を拝見。「小さな森の家」の解説コメントに続き、Kさんから吉村先生へ依頼した経緯や、建築にまつわるエピソードを聞くことができ、興味深く、有意義な時を過ごすことが出来た。




メレル・ヴォーリズ建築の「朝吹鳩鳴荘」ご夫妻亡き後、樹木に閉ざされたまま



ご主人アルマンさんの営んでいた民家を移築した美術品店




珠玉の山荘「小さな森の山荘、吉村邸」



不思議な外棚のバケツ



山荘下の沢、著書「小さな森の家」の前書きで、この敷地に出合った時のことを「川が流れる水音はするが、その姿は隠れてよく見えないほど樹の繁った森」と書かれている



山荘から道を隔てた西に流れる矢ヶ崎川



ユースホステル発祥の地「軽井沢ユースホステル」廃墟と化し、時の流れの空しさが漂う



中山道(旧軽)にあった江戸時代の旅籠「木曾屋」を移築したS邸 桃源郷の趣き



女子聖学院山荘



アントニン・レーモンド建築 もみの木の家(ジェームス・アダチ別荘)



軽井沢でも最古と言われるモミの巨木に抱かれて



朽ちたベランダが救いの急務を告げる



吉村建築10年前の作品 Kさん邸、珠玉の山荘「小さな森の家」を彷彿とさせる



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   野生動物たちの受難〜  

浅間南麓のこの地には、大小さまざまな動物たちが生息している。
大きなものではクマ、ニホンカモシカ、ニホンジカ、イノシシ、サル,小さなもので、ノウサギ、キツネ、タヌキ、テン、ハクビシン、アライグマ、リス、イタチ、ヤマネ、ヒキガエル、
カエル、ネズミ、モグラ、ヘビなど。

山荘周辺を散策中にもイノシシは度々見かけるが、夢中で土中のミミズなどを掘り起こしていて、こちらが近づくのに気付かず、
数メートルまで近づき慌てて逃げて行き、こちらもホットさせられることがある。

ある霧の日に、軽井沢バイパスから南に少し入った森の遊歩道で、100mほど先にかすかなシルエットが浮かび、数歩でそのシルエットは
森の中へ駆け込むのが見えた。ニホンジカであったようだ。駆け込んだ森の中を目を凝らしてみたが、
痕跡らしきものは何も確認できず、その辺りは静まりかえっていた。幻想的なシーンに遭遇した思いであった。

さらに幻想的な話をご近所のSさんから聞いた。
早朝目覚め、カーテンを開けると、広い庭先のモヤの中にカモシカらしき動物が6〜7頭一列に整列していたと言う。
夢か幻か、驚きのあまり頬をツネッてみたと言う。
カメラを取りに行こうとした瞬間、その動物たちは隣地へ姿を消して行ったと言う。
何頭もが群れをつくり、整列するという習性があるのだろうか、こんな光景はさぞかし幻想的であっただろう。

数年前に、母ネコから託された山荘の野生ネコ゛コブ 1(ワン)”はすっかり野生の山猫の如く成長し、ご近所からはハンターの愛称まで頂いている。
ヒメネズミを度々捕らえ、手柄を鼓示するためか持ってきて、半殺しにして宙に放り上げたりしてもて遊び、最後ははらわただけを残し、
コリコリと旨そうな音をたて、腹に納めてしまう。
缶詰やささみを与えた直後であっても、ネズミだけは別腹のようだ。
アカガエルやシジュウカラも度々犠牲になる。
モグラは食べないが、死骸が時々放ってあるのを目にする。大きなキジバトを生かしたまま持ってきたので取り上げて、幸いにも放鳥したこともある。

驚かされたのは、ご近所の餌台に来たリスを捕ってしまったことを告げられ、まさかリスが犠牲になるとは、そのときは半信半疑であった。
しかし、この目でその事実を見せられる時が来てしまった。
なんと、茶色のネズミより大きなものをくわえて誇示しにきたのである。
急ぎ取り上げたが既に命絶え、僅かな温もりが伝わってきた。ネコの狩猟本能を叱ってみても空しく、ただ、樹上暮らしを主のあの敏捷なリスが
なぜネコごときに捕らえられなければならないのか、地上に降りたところを狙われるのであろう。
リスを責めてみるが、悲しみと空しさがこみ上げてくる。
コブ1が山荘に居ついてからは、リスへの胡桃の餌付けは止めた。
以前のように頻繁に近くまで来て、愛くるしい仕草も見られなくなり、寂しい。
ネコのことも思うと共生は難しく複雑な思いである。
 

   
 コブの犠牲になったリス、ハルニレの根元に手厚く葬る
   
   
 雪の日に硝子窓下に落ちていたヒヨドリの死骸、硝子窓に衝突してのうしんとうを起こしたヒヨドリを放鳥したことも 
2015年3月5日サンルームで接客中ドスンと大きな音が、枯枝か又鳥の衝突ではと外に出ると、またもヒヨドリが即死状態で落ちていた。
衝突防止のためガラスにはハヤブサの切絵や諸々の掛物を下げているのだが、何とも切ない思いだ

   
   
 コブの餌箱に閉じ込められた大食いのハクビシン、懲りたと見え、以後二度と来ない
然るべきところに連絡をすれば、有害外来動物として駆除対象と聞く。殺すには忍びない見逃してしまった 
 

 
                                        
   
   
   
   
   
   
   
   
   5/21 2012
   
   
  6/8 2012  
   
   
全長20cmもある大きなドブネズミ?さすが捕らえてはみたものの食べずに放置される  於 こぶしざわ庭 11/3 ’12  
   
   
大きな掻爪で地中深く潜行するモグラも地表に土をかき上げる一瞬の動きも見逃さずハンターコブに捕られる。恐るべし。決して手柄にしたり触れたりはしない 毒素を持つのだろうか  6/27 '13 


  大きなオニヤンマ(体長9.5cm、羽根を広げると11.5cm)が犠牲に
小さな沢こぶしざわの流れの上を飛び蚊や蚋を捕食してくれているオニヤンマ
たまたま橋の上にいたコブに捕らえられてしまい直ぐに絶命。残念で可愛そう。 
 8/20 ’13


   
朝庭に出ると大きなヤマドリが・・・。ネコの仕業か こんな光景に遭遇すると今日一日憂鬱だ 11/20 ’13 



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  〜われもこうの会〜 草取り作業 秋晴れの好天に恵まれて・・・・・・。

昨期はほぼ皆勤であったが、今期は都合がつかなかったり、意欲がいま一歩で、欠席ご無沙汰続きであった。
今日こそは出席したいと数日前から心に決めていた。午前は北軽井沢の開発下刈り予定地からオオバギボウシを40株ほど避難採取、
急ぎ軽井沢に戻り、お昼はソバをかっ込み、13:30からの作業に出掛けた。

今日の作業場所は、発地の田園にある50坪ほどの草地である。現在会ではここを含め3箇所に野の花を育てている。
今日は会長、副会長はじめ7名の会員が参加、秋晴れの元、作業が捗る。
久しぶりに鎌の動きも力強く、刈り取られた雑草やわれもこうの花枯れ穂が堆く積まれる。

1時間半ほどの作業終了後、草の香りに包まれて頂くお茶の美味しさ、皆さんとの歓談で楽しい一時を持つことができた。(y.k) 10/2  '11

   
  草が伸び、冬枯れに乗じ、この時期ビバーが頼り 
   
 後方に刈り取られ堆く積まれた草山  Oさんのご配慮で お茶前の久しぶりの記念撮影


われもこうの会”
は、かっていたる所に野の花が咲き乱れていた昔日の軽井沢を再びを夢み、野の花を守り増やしている
ボランティア団体です。
  今期の作業は、11月6日場所は本日作業と同じ発地の花畑の残り1回のみとなりました。


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〜小諸菫 (こもろすみれ
   
濃い紫色 園芸種のようで野生種とは思えぬ珍しい八重咲き 大正12年に小諸の海応院で小学校の先生が発見したと言う。現在小諸市の市花となっている。 

昨年に続き中軽井沢のHさんから沢山の大株を頂いた。日当たりの良いHさん宅では二坪ほどの一隅がこぼれ種で増え、
毎年選って抜き、捨てていると言う。

昨年、丁度お邪魔した時に、庭の隅にしおれた株が積んで捨てられているのを発見、頂いてきた。
噂では人為的な移植には弱いと聞くが、鉢に植えた20株ほどは殆んど着き、元気に育っている。
噂の真偽は自分で試してみないといけないと、改めて感じた次第。

今回頂いた大株を30株程に分けナーサリーに植えた。建物南面外壁の日照抜群の所だ。
軽井沢から平地のナーサリーの蒸し暑い環境に耐えられるか試す意味もある。
小諸市で自生するものであれば、前橋郊外でも心配はないだろう。 


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〜太郎山S様山荘プロジェクト完成祝賀〜 

S様は都心元麻布のお住まいから今年は山荘完成で、森の中でクリスマスから年末を過ごされた。

静まりかえった漆黒の2夜を過ぎ、「寂しくないですか」の問いに、意外、「すばらしい感動の体験をした。できるならずっとここに居たい。」とおっしゃる。
我々プロジェクト提案に賛同頂き、年内に完成に漕ぎ着け、満足されたお顔を拝見し、一同ホットさせられる。
「居心地も使い勝手も自宅より良い」とのお気に入りでプロジェクト一同嬉しい限り。

完成祝賀にお招きを頂き、奥様の手料理に舌鼓、楽しい一時を過ごす。

現状凍結防止のためお風呂場を中心にヒーター2基を通電されており、節電対策が今後の課題。
数日留守にする際の凍結防止策を長年の経験から得た工夫を提案させて頂く予定。

お暇し、外に出るとワインで火照った体に冷気が凍みる。漆黒の夜の樹木が開けた天空に満天の星が輝いていた。
一同の喚声が漆黒の闇に冴え浸みる。

      
玄関灯 オービターとリビングのPH50の暖かな光   
     
      
  お施主さんと設計監理、現場主任などプロジェクトチーム一同と  

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  〜細川護光(もりみつ)陶展〜 
(8/8〜15 ’12)
 
  例年展示される作陶展だ。昨年は山荘ギャラリー
の事情から見送られた。

軽井沢西端の追分水辺から少し入った静かな森の中に
ある山荘ギャラリー“土楽”。
土間に展示される氏の作風がしっとりとした雰囲気を醸しだす。

作家ご本人が初日と二日目は在ギャラリーとあって、
粉引きと灰釉の制作工程の違いなどの質問に丁寧に答えてもらう。

粉引きのぐい呑み、灰釉の小皿、蕎麦猪口など
日常使いの器が手頃な価格で購買心をそそる。

西区千ヶ滝にある父君(元首相護煕氏)の穴釜(山荘だよりVol.13)で焼かれた
満月文様の信楽風小皿も展示されていた。 

 
     
     
     
     
  ほど良い大きさの灰釉湯のみ 古い漆椀蓋を茶托に。

古根来の菓子小皿にYさんから頂いた名勝兼六園に
因み創られたと言う銘菓
金沢「紫舟小出」の
新菓苑「曲水」、「戸室」を添えて。 

 
     
    細川護光(もりみつ)プロフィール

1972年熊本生まれ
伊賀土楽窯福森雅武氏に師事し、父、
細川護煕氏の神奈川不東庵を経て2006年
故郷熊本に開窯。
2008年京都思文閣にて初個展。
趣味としての陶芸ながら著名な父君とは常に一線を画し、
実力を高める将来が楽しみな若手陶芸家の一人。

伝統を踏まえ、繊細で気品のある作風。


土楽
www7.plala.or.jp/denenchofudoraku/
     
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