軽井沢自然塾ワークショップ
                          ――自然の恵み ドライ木の実のナチュラルインテリア― 
               
                          かぐや姫の里からの竹に栃(富知)の実を付けた花器にさして・・・                 Sept./‘22



     Cottage Design Karuizawa  Karuizawa                      

 



山荘だより山荘だよりVol.7
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Vol.12                     

<Vol. 7の内容>

○映画「西の魔女が死んだ」

カントリーウエスタンミユージックらいぶの集い

○The Old Timers ブルーグラス カントリーライブ

Herb & Dorothy アートの森の小さな巨人 Vogel Collection  (4Feb.2011)

○嘴のアーティストからの贈りもの3題

 森の恵みで作る ハッピーリース
黒姫の赤鬼 C.W.二コル氏講演会

森の黒真珠 無患子(むくろじ)のハッピーストラップ、ネックレス







~映画「西の魔女が死んだ」~

自然の中での魔女の生活振りに興味を覚え、映画を観た後、暮らしの痕跡を確かめたくて、八ヶ岳のキープ協会内に公開されているセットを尋ねた。

清泉寮から15分くらい森の中の緩やかな小道を登って行くと、樹木がスッポリと抜け、日の光に照らされた空地に「おばあちゃんの家」は建っていた。

辺り一帯のヤマザクラ、リョウブ、アカマツなどの自然林を切り開いて造った標高1300mほどにあるセットだ。セージ、レモンバーム、ラベンダー、フェンネル、ベルガモットなど沢山のハーブ類やワイルドベリー、ナスタチュームなどが植えられ、すがすがしい香気が漂う。

南に張り出した小さなサンルームには、鉢や園芸道具が自然のままに置かれていた。
キッチンには外国製のオーブンが置かれ異国の魔女の暮らし振りを窺わせる。古色蒼然とした内部の雰囲気は、使い込まれた生活の痕跡を感じるには十分である。

建物外観は、いかにも山荘らしく周囲の自然に溶け込んでいた。まい のお気に入りスポットと大鍋でジャムを作るワイルドベリーの採取地を確かめたかったが、別の場所での撮影とのことで果せなかった。

ロケの候補地を探すにあたり、軽井沢も候補に上ったと聞くが、浅間南麓に抱かれた「大日向地区」は、優るとも劣らない適地ではなかったか。

開拓で大地が開かれた高原には日照が燦燦と降り注ぐ一方、雄大な国有林の森が迫る。ハーブや野菜を育てる魔女の一人暮らしにはピッタリの場所だ。ここなら、「魔女のローソク」も「ワイルドベリー」も育つ。

ただ、大勢のキャスト、スタッフの宿泊施設などのサポートインフラを考え、また、浅間の山容により、場所が特定されることを避け、キープ協会内のこの地に、決まったのではと、一人勝手な想像をしている。
 (Jul/2008)



西の魔女が暮らした山荘セット建築のため入場することは許可されていない
キッチンには大きなオーブンが 魔女を演じた幸子パーカーのサインが温室の硝子に
おばあちゃんの家はその後取り壊されて今はない セットの宿命ながら残念でならない  


ワイルドストロベリーランナーのないアレキサンドリア種  ハーブ各種  ハーブ各種 
魔女を演じたサチ・パーカー(幸子パーカー)は、往年の名女優シャーリー・マクレーンと映画製作者のスチーブ・パーカーの娘さん。
2歳から12歳まで、代々木上原で育ったので、日本語は上手。

http://nishimajo.com/



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カントリーウエスタンミュージックらいぶの集い~     於:きしん 3/18 2012

前掲軽井沢ブルーグラスの集いで登場したCountry Music FavoriteのSaさんからの誘いで、赤城の南麓にあるライブハウス“きしん”へSaさんご夫妻
の車で連れて行って頂く。

会場に近い前橋市内に在住の仲間に声を掛け、多くの方達が参集。
ギター1名は地元、残る5名は東京はじめ県外から、プロ、セミプロの組成バンド。

カントリー&ウエスタンを聞くのは初めてと言う仲間も多く、心配したが終わってみれば、楽しい一時を過ごすことができ、「また誘って下さい。」との声。
本音であればうれしいが。

 
Country Music Favorite のSaさん 愛器マーチンをクルマに忍ばせて飛び入り出番を待つ
多くの聴衆を勧誘した功労で、飛び入りのトリ&3曲の特別待遇 
左学生バンドで横田米軍基地のステージにも立っていたRさん現在はアルミダイカストの雄
G社の社長さん 1曲飛び入り披露、流石美声の本格派 その右はプロでFiddleの名手高野さん 
   
   

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THE OLD TIMERS ブルーグラス カントリーライブ~  


2015年1月10日〈土)18:00~
会場 前橋市 夢スタジオ第10スタジオ
ギター:坂井次英、バンジョー:村田光弘、フラットマンドリン:高木隆二、ベース:吉川寿一、ドブロ:今井弘巳、女性ボーカル:田中靖代

Country Favoriteの肩書き名刺を持つギター&ボーカルの坂井さんのお誘いでカラオケ歌手Uちゃんと出掛けた。
カントリースタイルは本格正装で恰好良く、円熟のメンバーたちのテクニックに魅了される。
ボーカルの出だし違いなどあるも、ダジャレの愛嬌あるトークで切り抜け会場の笑いを誘う。
これもアマチュアならではの強みか。

Foggy Mountain Breakdown、Hello Mary Lou, Amazing Graceなど全14曲(うち楽器演奏Instrumental 3曲)を披露

-会場側の案内状より-
人生のベテランが人生の楽しみ方のお手本を見せてくれているようなバンドです。
若かりしころから慣れ親しんだ音楽をいまも日常の生活の一部として楽しんでおられます。
演奏の方はもちろんキャリアがものを云う素晴らしさです。
そのしぶい響きを是非生でお楽しみください。

 
テンガロン、紐ネクタイも決まって本格正装 左から高木、坂井、吉川、村田今井の各プレイヤー 紅一点女性ボーカルを迎えて
イギリスの牧師ジョン・ニュートン作詞の讃美歌
Amazing Graceを歌う 
     
 
 

THE OLD TIMERS ブルーグラス カントリーライブ~   
2015年7月4日〈土)
於 夢スタジオ
前回1月と同じステージ&メンバー  
軽妙洒脱な司会トークで聴衆を笑わせる気楽で楽しいライブ
   
 
メンバー内二人が古希を過ぎる キャリアは何と学生時代から半世紀、そのテクニックはプロ並    平均年齢を下げる紅一点の女性ボーカル 


   
仲間をお誘いしブルーグラスライブを愉しむ一夜  ギター、ボーカルに加え司会を担当のダジャレ―紳士 Mr. Country Favorite との記念スナップ







ハーブドロシー Herb & Dorothy ~アートの森の小さな巨人~ 

            

      
1DKのアパートの壁、天井、空間は、二人の現代アート(Minimal,Conceptual Art)コレクションで埋め尽くされている。


ごく平凡でささやかな暮らしの中で、仲の良い夫婦、ハーブとドロシーが異色の審美眼で集め抜いた小品が今、ナショナルギャラリーほか全米のミユージアムで公開されている。ただ現代アートが好きと言う純粋な気持ちで、作家を尋ね、給料の中から割いて
集めたものが今や大変な美術的価値のある一大コレクション(Vogel Collection)は、全米で大きな反響となり、この映画はニューヨークで17週のロングランを記録。全米で熱狂的に迎えられた話題作である。

コンテンポラリーアートが未だ人々の関心を得られていない時代に、なぜこれを蒐集の対象に選んだのか。
美しいものはジャンルを問わず美しいとの審美眼と、サラリーマンの給料で買える対象と言う必然性の帰結が伺える。
二人の無欲の情熱と美の蓄積に抱かれた幸せは見るものに感動を与え、唸らせる不思議な魔力を感じる。

ハーブとドロシーに拍手喝采。                        www.herbanddorothy.com/jp


主なコレクション作家(出演アーティスト)
Christo(1935-) and Jeanne-Claude(1935-2009)、Richard Tuttle(1941-)、Chuck Close(1940-)
Robert Mangold(1937-)、Lawrence Weiner(1942-)



Christo 「The Gates」2005年
Christ夫妻がインタビューに登場、Vogel夫妻について語るシーンがありますが、Christの作品として紹介されたのが、はからずも
弊社Cottage Designのオフイスに掛けてある話題作の一つ「The Gates」2005年作でした。
ボーゲル夫妻は、この「The Gates」のコラージュをコレクションされたことが紹介されています。
このドローイングは、数年前にデンマークルイジアナ美術館のミュージアムショップで購入した印刷物ですが、モダンな造形美とシンプルな配色の妙が気に入って、取り替えることもなく永く掛けているものです。
永い間にサンルームの日差しで色褪せてしまい、布地の色をアクリル絵の具で加筆修復したものですが、鮮やかなサフラン色を再現するのに腐心しました

 
 
クリスト作「The Gates] 2005年 ニューヨークセントラルパークに鮮やかなサフラン色の布の旗門が7,503個設置された壮大な試み。
世界をラッピングすると言われているクリストのラッピングとは異なるもので、日本でもお馴染みの茨城県の山間の谷に3100本の笠を設置した
プロジェクト「Umbrellas」1991年と同じ試みと言える。
日本に来られた時にインタビューでラッピングのアーテストと言われたことに、怪訝な顔をされたことが、紹介されているが、
規定概念への抵抗ともとれるラッピングではないプロジェクトの一つである。 



 
~ドロシー・ボーゲルさん収集品を全て寄贈~ 

昨夏(2012年)御主人のハーブさんが89歳で亡くなると、収集の終了を宣言。5千点近い収集品を全て全米の美術館に寄贈。
このことはドキュメンタリー映画「ハーブ&ドロシー」監督佐々木芽生(めぐみ)の続編、今春公開された「ハーブ&ドロシーふたりからの贈りもの」に描かれている。

ドロシーさんは、元公立図書館司書。自身の給料を生活費にし、郵便局員だった夫のハーブさんの給料を絵画やオブジェの購入費用にあてた。
ドロシーさんは「私は知的な抽象画を、ハーブは鮮やかな色彩の作品を好んだ。でも彼が好きな作品は不思議と私も好きになった。彼もそうだったと思う」

2人で芸術家に制作の動機や過程を聞くのが常だった。意気投合した芸術家が破格の値段で譲ってくれた作品も多い。
新婚時代から住むマンハッタンの1LDKのアパートはアートであふれた。

続編映画の公開を機に今年2013年3月に初来日、東京や大阪の映画館で大観衆を前に挨拶した。
「私はハーブと好きなことを続けてきただけ。映画になるなんて思ってもみなかった。日本でこんなに温かく受け入れてもらえたことは驚きで、とてもうれしい」

収集の終了を宣言し、寄贈が終わり、がらんとしたアパートには今、結婚前にハーブさんがドロシーさんをモチーフに描いた油彩画1点だけを飾っている。    
                                      
                                       
                                         
-2013年(平成25年)4月29日〈月)朝日新聞 ひとー

 


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~嘴(くちばし)のアーティストからの贈りもの3題~ 

驚くほど精巧で繊細な巣、道具を使わず嘴だけでなぜ作れるのだろう。
人間であれば針や編み棒を使い編み上げるのに。
巣内部のほつれ部分の修復を試みるも手に負えない。器用と言われる人間の手も到底及ばない。

一番大きなものは“カラス”の作品と思われる。太い枝や大きさからカラス以外考えられない。
只、よく目にするカラスの巣作り材としてのワイヤーハンガーなど下手物材は全く見当たらない。
都会のカラスと違い、地方都市郊外の大きな公園内であり利根川沿いの自然豊かな場所柄、敢えて
下手物材を使わずも、自然材が豊富にあるためだろうか。

 
 
3/2 ’13 春一番の贈り物 
嘴の精巧なアート 強風でヒマラヤシーダの巨木から落下 
幸い季節柄空巣 ホウの木片で偽卵を作り自然味豊かな部屋の
オブジェに 
  
軽井沢から群馬県安中市へ下りる入山峠へ至る山道のノイバラの枝先に内径4cm程の小さな巣 ブルーに彩色した偽卵を入れて 
 4/1 ’13 
 
軽井沢南ヶ丘のIさん邸 ドウダンツツジの小枝の中に残された空巣
枯れ草が主体で動物の毛などは使われていない。 内径5.5cmほどの大きさ。
     
     
吉村順三さんが設計された画家の脇田和アトリエ(軽井沢脇田美術館に併設)に飾られている沢山の愛すべき蒐集小物の一つ 主なき今もアトリエに。
入手場所や来歴などはご本人からお聞きすることができず不明

他の蒐集品は、山荘だよりVol.5 画家脇田和のアトリエ山荘をご覧下さい。  

      *画家脇田和アトリエ山荘**
 




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26年11月の自然塾 
―森の恵みで作る ハッピーリース
1120 新軽井沢自然塾
  

 ―なぜハッピーリースなのか― 
 
一円相
 
リース (Wreath)の語源は、花輪、花冠、輪、渦巻きです。
本来は、キリスト教の宗教祭事であるクリスマスにおいて飾られてきたもので、「永遠の環」、「永遠に続く神の愛」を意味するといわれています。
由来は諸説ありますが、抗菌作用のある樅や柊などの葉を付け、魔除けにしたり、豊穣を願い、松ボックリ、麦の穂、葡萄の蔓、リンゴなどを付け、玄関を飾ったもので、日本の正月しめ縄と似た役割と言えます。

仏教の一派禅宗でも悟りの形象として描く丸い形の一円相(上掲写真)。
どこまで行っても途切れることがなく、限りなく循環し続ける絶対の真理であり、心性の完全円満を表すと言われます。
宗教的謂れや思想を抜きにしても、オリンピックの5大陸の輪、輪(訓読み)=和(音読み)、丸く納めるなど、輪は平和な縁起ものとして使われています。

近年、我が国ではクリスマスが宗教とは切り離されて、年末の正月前の楽しい行事の一つとして普及して来たのに伴い、リースも宗教的意味合いから装飾的な飾りとしての色彩が濃くなるとともに、素材や形も多岐に亘り、飾る場所や時期も自由な発想となっています。

近年リースを室内や玄関かざりとして、年中飾られているお宅を良く目にし、それだけで住んでられる方の奥床しさが偲ばれます。
加えて、美意識やセンスが小さな輪に凝縮されているのを垣間見ることができます。

縁起の良いインテリア小物、アーティステックなオブジェ感覚で場所を問わず年中飾りたいものです。
ここ軽井沢、自然に擁かれた土地柄だからこそ入手できる素材。
貴重で自然味豊かな森の恵みの素朴で生成りの美しさを生かしたオリジナルな作品にトライしましょう

ベース素材: 藤、熊柳、牡丹蔓、マタタビ、山葡萄などの蔓性木本
パーツ素材(木の実、花柄など): ウバユリ、各種松ボックリ、スギ、ツノハシバミ、トウヒ、トチ(マロニエ)、ドングリ各種、ハンノキ、ボケ、メタセコイヤ、ヤブツバキ、ローズヒップ各種、ヤマボウシ、シャリンバイ、ノブドウ、サルスベリ、小枝クロス束

 
 
 当社所有の南軽井沢の森が、半世紀近く荒れ放題となっており、潅木に交じって夥しいほどの「熊柳」が自生している。
近隣には作家内田康夫、早坂真紀夫妻のティーサロン「軽井沢の芽衣」と「妖精の棲む森」があり、人影ならぬ、妖精が出てくるような雰囲気だ。

自然塾の参加者に自ら森に入り、リースベース採取を体験していただこうと、長靴に作業手袋、腰に剪定バサミを差した出で立。
初めての体験とあって興奮気味か、作業手順の説明もそこそこに思い思いに森に分け入る。

最初は喚声があちこちにあがっていたが何時しか黙々と熊柳の蔓採取作業に熱中。
採取した蔓はその場でまるき、輪に、慣れない作業に加え、手先の力作業のため弱い女性陣は手古摺る。
時間経過も忘れ、1時間半くらいした頃、誰とも無く「そろそろ辞めにしませんか。これから帰って作らなければならないのだから」と。

新軽井沢会館に戻り、 掲題のハッピーリースの能書きを説明、「美意識やセンスが小さな輪の中に凝縮される」の言葉に少し、戸惑ったか、
どんな風にするかを思い描いていたのか、暫くは手が動かなかったが、意を決したかのように自然の恵み20種ほどのパーツ付け作業が開始される。

1時間程の作業を終え、地元新聞「軽井沢ニュース」の取材とあって各自の作品を掲げ、ポーズをつくる。
大小、各自の思いが凝縮された作品となり、見せあって、笑いや溜息、喚声に会場が湧く。童心に帰った楽しい一時となった。



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今期 平成27年度春の自然塾初回開講 
—実践野草の種まき— 

平成27年3月19日 13:00~15:00 於 新軽井沢分館
 
平成26年度収支報告
平成27年度予算ならびに活動計画
 
 
<実践種まき>

初めに発芽温度や播き後の管理など事前確認、知識の整理の後、外は生憎の雨模様であったため、玄関ホールに大きなシートを敷き、準備された参加人数分の霜害を防ぐ屋根付き セル・トレイに挿し芽種子播き用土を入れ、各自秋に採取し、前回持ち寄って準備されていた種子を各自思い思い2~5粒ずつトレイの升に播き、軽く覆土して、水遣りは自宅に持ち帰り行うこととした。

未だ当地の寒さから、発芽までどのくらいの期間を要するか、不安要因は多いが、高い発芽率の成功を祈るしかない。

野草種子として、
レンゲショウマ、オミナエシ、キキヨウ、ワレモコウ、アヤメ、ミソハギ、オオバギボウシ、ウバユリ、ホタルブクロ、ツユクサなど
また一部野菜種子として、
ハナオクラ、ムカゴ、オオバ
 


ほかに挿し穂として、希望者に
西洋ニワトコ(エルダベリー)が100本程用意された。
和のニワトコは此のあたりでも沢山自生するが、わが国では食べるものとしては馴染みがない。
西洋ではエルダベリーとして、花は乾燥してエルダベリー茶、.また赤から黒に熟した実は大きさが和のニワトコの3~4倍はあり、ジャムやソースとして馴染みが深い。
挿し木をトライされるには別途挿し木向きのトレイに用土として挿し木用の赤玉土など、.発根促進剤(例えばルートンなど)の購入を要することが伝えられた。

またこの挿し穂は群馬の平野部にあるナーセリーで毎年増殖として、挿したものと同じものであり、当地の気候では1カ月程早く、未だ寒いので成功するか否か心配である旨伝えた。

 
  ~27年(2015年)5月 自然塾 食べられる庭創り実践編後半 植生観察と試食会~
2015年5月21日 於 中軽井沢 こぶしざわ山荘 
今回は,昨年6月に開催した食べられる庭の実践編後半の一例として、中軽井沢太郎山の麓、こぶしざわ山荘の庭の植生観察と今の季節を代表する山菜などの試食会とした。
山葵やモミジガサ、二輪草、コシャクが繁茂する庭観察の後、試食会では初めての体験をされた参加者が試食物を口に入れた時の神妙な顔が笑いを誘う。 

試食会となると人気が高く通常の倍近い参加者のため、小さな山荘では一度では収容しきれず、前半2時間、後半2時間の2回に分けて実施した。
 
     
     
 <試食会メニュー> 
山菜: モミジガサ、ナルコユリ、ツリガネニンジン(トトキ)のお浸し
ハーバルティー: クールミント、マロー
ジャム: ラズベリー、マルベリー、エルダベリー
燻製: チーズ、蒲鉾のワサビ醤油(Fさんご夫妻のお手製)、糸巻き豚肉のホースラディシュ醤油

その他:香草ディルの浅漬け胡瓜

 参加者に土産として実践植栽の鉢苗が準備された。 ヒレアザミ、ノアザミ、サクラソウ、ルリソウ、バーバスカム(魔女のローソク)、斑入りラミューム 














小海フインランド協会主催 C.W.二コル氏講演会「森から未来をみる」
2014年9月11日(木)14:00~
於 小海町総合センター講堂 

     
     

私の所属する小海フインランド協会主催の入場無料の講演会とあって、自然塾へも貴重な好機ということで開催情報を提供する。

自然塾とは別に軽井沢の仲間に声掛け2台に分乗し、6名で参加。さすが人気者のナチュラリストの講演とあって多くの参加者で会場は満杯。
企画コーディネートの主催協会理事Aさんによれば聴衆は300人を超え、この会場未曾有の集客であったと言う。

ニコル氏は、1940年に南ウエールズのニースで生まれ、1962年に初めて日本に来て、80年から長野県の黒姫に住み、95年に日本国籍を取得した。
自身のことを「ケルト系日本人」と言っている。

1962年に初めて日本に来た時、森や林はきちんと手入れされ、畑や田んぼも庭園のようで「こんな美しい国があるのかと」思ったと言う。
70年に日本に戻り、高度成長期以後、日本人は世界の宝とも言うべき広葉樹の原生林を伐採し、スキー場やゴルフ場を建設していった。
氏の住むようになった黒姫でも樹齢400年、500年のブナやミズナラなどの大木が伐採されて、その後に針葉樹のスギが植えられ、面倒を見ることはなかったと言う。
こんな日本の状況に絶望しかけていた時、故郷のウエールズで採炭のために木々のなくなったアファンの谷を植樹により森林公園に変える計画があることを知り、現地に出向き若い森が再生されていることを目の当たりにし、彼らに習って心から愛する日本のために力を尽くそうと心を決めたという。

86年に家を建てるつもりの資金で2300坪の幽霊林を購入し、それから少しずつ荒地を買い足し森の再生を始めた。
この森を、故郷ウエールズの「アファン・アルゴード森林公園」に因んで「アファンの森」=ケルト語で「風が通る」と名付ける。


その後アファンの森は「C.W.二コル・アファンの森財団」の森となり、今はなんと30.5ヘクタール(91,500坪)に及び、4つの活動の軸を据えている。
1.森の再生 2.心の再生 3.普及交流 4.震災復興プロジェクト 具体的には①森の取得と維持管理 ②生態系の修復 ③森の生態系と生息地の調査
④森の調査と管理に携わる専門知識を持った人材の育成 ⑤人と自然のバランスのとれた共生型社会の規範づくり
⑥児童擁護施設や被災地の子供たちなどの招待 ⑦森林文化の保存と海外交流 ⑧震災復興支援など。


「日本の生物の多様性、環境の多様性はすばらしいもの。北に流氷があって、南に珊瑚礁がある国は他にはない。海岸線はアラスカを除くとアメリカより長い。
そして森林面積は国土の67%を占める。森にはいろいろな宝物がある。
その森の恵み、豊かな自然が日本人の知恵と文化を生み出し、勤勉さと団結力を育ててきた。
第二次大戦で敗戦後わずか20年で世界有数の経済大国になったのも全て日本の自然がもたらしたもの。
もともとそうであったように自然を尊敬し、自然と共生する近代的な国になって欲しい。エコノミーとエコロジーは必ず両立できる。私はこの国の未来を信じます。」

氏のユーモアと人間味溢れ、温かな心の持ち主であることが話しの節々に感じられ、森の力を説き、真のナチュラリストであり、
日本人以上に日本の心を持ち、日本を愛する人柄に感動を覚えた大変有意義な講演会であった。
改めて森〈自然)の持つ力を再認識する好機であった。



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新年に相応しい森の黒真珠無患子(むくろじ)"で作る厄除け厄払いのハッピーストラップ、ネックレス、ブローチ
2/16 ’17 於: 新軽井沢公民館
 

無患子はムクロジ科の落葉高木、本州中部以西の山地に自生。
樹高は15mを超える。かっては寺や神社のご神木として、また田舎の屋敷森や里山に植栽、自生していたが、近年その数は少なく、稀にその在処を見つける状況と言える。

無患子の花は夏に円錐花序を付け、柄のない淡緑色の花を付ける。熟した実は果皮が艶のある黄褐色の半透明になり、中に1個の非常に硬い黒種子を含む。
この種子は平安の昔から厄を跳ね返す謂れの正月に勝虫に例えた羽根つきの羽根錘として使われて来た。

果皮と種子には多くのサポニンが含まれており、古くは石鹸の代用のエコ洗剤として使われていたという。
また、金を磨く洗剤としても使われ、貴金属を磨くとピカピカになる。

無患子は漢名で、和名は延命皮(えんめいひ)と言い、漢方薬として強壮・止血・消炎などの
薬効が重用されている。


患=患苦、患難、患憂
サポニン(Saponin) 広く植物界に存在するサポケニンと言う多環式化合物(分子内に環状構造を二つ以上持つ化合物)と糖とが結合した配糖体(糖類とアルコール
やフェノールなどの水酸基を持つ有機化合物とが結合した化合物)

羽根つき=羽子板遊びは、子供が蚊や害虫から伝染病にかからないように、羽根を勝虫であるトンボに見立て、悪い虫を退治して守ってもらうとの謂れ。

 
       
男性参加者はストラップ、女性はネックレス 作りに挑戦、飾りより自然の恵み=森の黒真珠無患子の有難い効能と自作に意義あることに思いを込めてシンプルシックに   

関連映像 山荘だよりVol.2 Tea break を御覧下さい。


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