Cottage Design Karuizawa  Karuizawa                      




山荘だよりVol. 8
Vol. 1 Vol. 2 Vol. 3 Vol. 4 Vol. 5 Vol. 6 Vol. 7 Vol. 8 Vol. 9 Vol. 10   Vol. 11
Vol.12                     

                               <Vol. 8の内容>

○魔女のローソク


○森林再生プロジェクト 坂本龍一+仏・ルイ・ヴィトン 「LOUIS VUITTON FOREST]

○ポール・スミザーのナチュラルガーデニングセミナー

○エコ暖房装置“ロケットストーブ(Rocket Stoves)”普及の兆し  (27、Dec.2011)

○秋に恋する芸術の森 軽井沢高原教会(星野遊学堂)軽井沢森の雫 9/15〜11/11 2012 






〜魔女のローソク〜  (バーバスカムVerbascum、マレインMullein、ビロードモウズイカ


12月の上旬凍土となる寸前、散歩の途中、国道18号軽井沢バイパスの
土手に砂埃と排気にまみれ、大地に根付く魔女のローソクを見つけ採取した。
辺りには、枯れ色一色の中に、銀白色の小さな株が点在していた。


採取した株を山荘のサンルームにあるテラコッタ大鉢のヨーロッパ
山葡萄の脇に植えた。

屋内とはいえ、厳寒の冬の間、びっしりと柔毛に覆われた銀白色の
幼株は、うずくまり固まった姿をしていたが、
遅い春の訪れとともに、みるみる動き出し、灰緑色の巨大な
葉となった。

伸び続けた茎は、天井のガラス屋根に達し、突き破らんばかりに、
行き場を失い、更に曲がって伸びた。ゴマのような花穂には、
5角形の蕾が付き、薄黄色の花が
2ヶ月ほどの長期に渡り、次々と開花する。

渡来種として、全国の荒蕪地に根つく本種は、我が国では見向きもされず、
馴染みは薄い。

英国では、幾つもの種類が育てられ、装飾植物として庭には欠かせない
貴重種のようだ。
あの英国で最も美しいとされるシシングハースト城の庭園でも
イチイの後背地に植えられ、存在感を示している。

薬用ハーブ、染料としても、有用な植物だ。

昔、鵠沼沿岸の京浜国道の土手に花を付けた2m以上もある巨大な魔女の
ローソクを数本見たのを思い出す。

ここ軽井沢でも、廃屋の庭などにあるのを時々見かける。

今夏、隣県群馬の前橋駅南の住宅街を散策中、数軒の家で、
手入れされた庭にこれが植えられているのを見て感激した。
多分、ある1軒から種の伝播で繁殖したのであろう。

刺激のない過保護な環境のサンルームでは、燦燦と日が降り注ぐ
国道端と違い、柔毛は少なく、銀白色は黄緑となり、力強さには欠けるが、
如何にも渡来然とした姿と、「魔女のローソク」という命名が、
いろいろな物語を想起させる力を持っているようだ。

また、寒さにはめっぽう強く、砂漠のような日照りさえあれば、
過酷な環境は厭わない強さから、元気を貰える感じがする。
2年草の運命であるが、我が国の洋風庭園に植えられて欲しい一つである。
                      (
Sep./2008)
  山荘サンルームの魔女のローソク 


びろうどもうずいか


こんな変な名前の植物が、ドイツ、イギリス、フランスの小説の中などに時々出て来る。
もちろん日本の植物ではないが、だれが日本名をつけたのか、
このもやもやした長い名前がいかにもうまくその植物を言いあらわしている。
というのは、三年ほど前、ある薬草園でこぼれていた種子を拾い、庭へまいたら、
高さ二メートル以上にも及ぶ毛深い化け物のようなものが出てきたが、
これがびろうどもうずいかで、今年も黄色の花を咲かせている。

種子が沢山とれるので、よかったらあげようかと言っても、庭に咲いている
その姿を見てしまったものは、まあいいやと言って持って行かない。

新聞にこの植物のことを書いたら、米沢、秋田の方から、近くに生えているという
葉書を頂いた。
駐留軍が来てからのことか、その辺のところはよく分からない。
外国では、書物によって調べてみると、この花には、悪魔はらいの力があるとか、
これを採取すると雷に打たれるとか、花の位置で冬の寒さを占うとか、
さまざまの言いつたえがある。またこの植物を蔽う毛は細かに枝分かれしていて、
蝋燭の芯にする。薬草としては、肺炎、気管支炎、痙攣、痛風、歯痛、神経痛に効く
ということであるが、そんな威力を持っていることが分かると、
種子をひろったばちでも当たりそうな気がして来る。

              
ー串田孫一隋想集5 博物誌 筑摩書房昭和33年刊よりー
 
  陽光燦燦のこぶしざわナーサリーの魔女のローソク  June 2010 
                                                       


 
                                  「風のガーデン」 に「魔女のローソク」
                    (フジテレビ開局50周年記念ドラマ木曜劇場 20年10月9日より毎週木曜日10時スタート)
 
上野砂由紀さんがデザインした英国風花のガーデンにひときわ背の高い黄花が存在感を示しているのを見つけ、 さすが、英国風ガーデンには欠かせないものと
嬉しくなりました。
風のガーデン貞三先生の花言葉は、「 足長女のそれなりのコンプレクス」です。

因みに、他の花言葉では、「臨機応変な態度」、「気立ての良さ」、「大きく育つ」など多く、定まったものはないのでしょうか。


   2008年秋号No.48 「My GARDEN]マイガーデンにも「風のガーデン」が特集され、沢山の「魔女のローソク」が紹介されています。



戻る




 
LOUIS VUITTON FOREST by more Trees    〜浅間山西麓「ルイ・ヴィトンの森プロジェクト」〜                                   
                         −森へ還ろう。五感を覚ます旅へ−      
                                                         Sept./2009
                   

小諸市の郊外浅間山麓標高1350mの民有林、広さ104ヘクタール(314,600坪)にフランスの高級ファッションブランドの名を冠した「ルイ・ヴィトンの森」が、誕生した。

世界に名を知られる音楽家坂本龍一さんの提唱する森林再生プロジェクト(社団法人モア・トゥリーズ)に共鳴するルイ・ヴィトン社との連携協働プロジェクトだ。

2009年9月7日発足の調印式が行われ、ルイ・ヴィトン社の5代目当主パトリック・ルイ・ヴィトン、坂本龍一、地元自治体の小諸市長芹沢勤の各氏が出席した。

ヴィトン社は、創業者がフランスジュラ山脈の山裾の出身で、森に関心が深く、長年、環境保護へ持続可能な取り組みを行ってきた。
2005年には、愛知万博に出展し、「自然と共生する創造」をテーマに環境への取り組みをアピールしてきた。
また、同社は2004年には、同社の製品輸送の60%を空輸から海上輸送へと切り替える、など環境問題へ取り組んできた。

今回のプロジェクトは、その一環の活動と言えるものである。
一方、このプロジェクトのパートナーとなった坂本龍一は、モア・トゥリーズ(more Trees)の代表を務め、2007年から北海道や高知県などで森の再生プロジェクトなどを手がけてきた実績を持つ。

坂本とパトリック・ルイ・ヴィトンとの出会いは、2002年、ルイ・ヴィトン社150周年のための音楽を坂本に依頼したのが始まりだった。
物づくりと音楽の根底にあるお互いの精神に共感し、森と言う共通の情熱で結ばれてきた。
協定によると、ルイ・ヴィトン社は今後、3年間にわたり、間伐や下草刈りなどの整備資金約1千万円を負担すると言う。
2009年9月8日朝日新聞、 Nov.2009 Vol.061 COURRIER Japon 講談社より−
 

                  
カラマツ、シラカバ、ナラ、ヤマザクラなどが混在する森 
火山灰地に戦後植林したカラマツ林に、実生発生した
ヤマザクラやシラカバの植生のため、巨樹は見当たらない
木版にメープルのロゴが美しく映える標識  標識前面道路から望む浅間の瘤山石尊山の稜線 
 
<交通>
軽井沢-国道18号-浅間サンライン−高峰高原に向かうチェリーパークラインに入る−1000m林道を超え、天狗温泉浅間山荘方面へ右折−約2.5kmほどの浅間山荘までの中間地点、左手に上掲の木製標識がある。
<その他情報>
入口付近は、ロープが張られ、立ち入りは禁止。小諸市観光協会によれば、地元自治体として、プロジェクトの計画に基づき、運営面などお手伝いして行きたい。
今後3年を目処に、どんな形にして行くか、当事者と協議したい。(小諸市観光協会Tel0267-22-1700)

プロジェクトによる今後の計画概要(前掲COURRIER Japon誌より)
1.美しい森    既存の混在林を巧く調和させ、美しく再生する。
2.サステナブル 間伐などを行い、保水力を高め、健康な森として、次世代へと続く森へ。
3.荘厳な森   人間の営みを超越したような、時として畏怖すら感じさせる森へ。
この3つのゾーニングを柱に、森のデザインが進められていく。モア・トゥリーズによれば、カラマツやアカマツと言った人工林だけでなく、シラカバやミズナラと言った落葉広葉樹も数多く見られ、
生物多様性のポテンシャルが感じられるという。

<現地を訪ねて>
チェリーパークラインから入った浅間山荘へ向かう山道は未舗装で砂ボコリが舞い上がる悪路。
当該地一帯はほとんどが民有林(浅間山荘主談)の戦後植栽の人工林や雑木林。
今後の計画概要にある「荘厳な森」へは残念ながら、1世紀ほど後の2〜3世代後への継続課題となろう。
森が若い辺り一帯の景観は、取り立てて見るべきものはないが、極力人工物を廃した森林公園として、
散策や森の恵みを自由に享受できる(注)ような国民の
共有の場として、北欧に見られる森のような形で公開される日を望みたい。 
日本では、民有林はもとより国有林さえも、立ち入り禁止、山菜キノコの採取禁止の標識が目立つ。食用できる樹木の芽を採るため切り倒したり、草木を根こそぎ
採るなどマナー違反が叫ばれている。残念なことである。
民有林は、止むを得ないにしても、国民の共有財産で、自然の宝庫でもある国有林は開放を旨とし、積極的に国民へ憩いの場としての魅力を訴え、
入山を誘導するくらいの環境づくりを期待したい。それには、自然の産物を共有の恵みとして愉しむ国民のマナー意識の向上が求められる。  (y.k)

(注)自然享受権(Everyman’s Right)
北欧にある古くからの慣習法(デンマークでは自然保護法として1969年法制化されたと言う)で、自然を破壊せず、所有者を煩わせることのないことを前提に、通行、滞在、自然環境利用などの権利を与えたもの。
野生の果実やキノコ類の採取は、
果実採取権として、享受される権利である。

フインランドでもこの自然享受権が万人に認められ、母なる自然が育てたベリー、キノコ、ハーブその他の食用植物はほとんどの場合、土地の所有者が誰であれ、自由に採ることが許されている。

そのためこれら自然の恵みを採取し生計をたてる業者も多く、2010年の調査によるとベリー類とキノコによりもたらされた利益は1,650万ユーロを上回ったという。輸出額としては何と2,350万ユーロに登るというもの。

北欧の森のスーパーフードの実態に改めて驚かされる。
 


 戻る



〜ポール・スミザーのナチュラルスタイルガーデニング〜        2010年5月 

英国バークシャー生まれでありながら、日本の植物や原種系の宿根草類を中心としたナチュラル
ガーデンを数多く手がけている氏、私も氏の作風には魅かれ、同業ながら過去3回セミナーに参加している。
「イギリスの庭では、ホトトギス、ギボウシなんかが庭のベースに使われているんだ。日本の植物
をとったら穴だらけになるくらい。初めて日本に来たとき、山に入ったらイギリスでは庭で大事に
されている植物が雑草のように自然に生えていて驚いたね」
日本でイングリッシュガーデンが大流行の頃、氏は日本の植物を隠し味的に使っていたが、経験を
重ね、やがて日本の植物をメインとする独自のスタイルが作られた。オミナエシやススキなど
日本人が雑草だと思っている植物も氏にとっては貴重な商材なのだ。
いつも古いTシャツに色あせたジーンズ、作業現場から駆けつけたようなナチュラルスタイルがトレードマーク。
英国人らしいふっくらとした色白の甘いマスク、アヤノコウジ・キミマロとのかけあいもできそうな流暢な日本語による語りで、ドット会場を沸かせる。
聴衆は女性を中心にいつも満席、10名を募る我社のセミナーとは大違い。うらやましい限りの人気者だ。

参加第1回 2006年2月16.17日 於:リビングデザインセンターOZONE
「生活を楽しむためのナチュラルスタイルガーデニング」
もう一つの部屋=ガーデンルームのデザインプロセスから実際の庭づくりを解説。

参加第2回 2009年8月22日 於:軽井沢絵本の森美術館
「選ぶことから植えるまで」
絵本の森に手がけたピクチャレスク・ガーデンを舞台にした植栽計画。

参加第3回 2010年5月29日 於:スカップ軽井沢 多目的・会議室
「ピクチャレスク・ガーデン誕生のプロセスとガーデンの楽しみ方」
室内のスライドレクチャーの後、グランドオープンしたピクチャレスク・ガーデン現地において、造成の
プロセスを苦労談を交え解説。前橋のKさんご夫妻のご招待にあずかる。

     
      
切り株を使った造作"スタンプリー゛stumply 
      
ピクチャレスク・ガーデンにて
   
第2回 未だ未公開のピクチャレスクガーデンにおける植栽についての解説  

<頒布会で購入した2種の顛末記> 
   
広葉マウンテンミント、山荘の庭に植え、翌年地下茎で増えるも、近隣の草本が大きくなり、陰になったらいつの間にか根絶 陰りの無い日照を100%受けないと無理な気難しがり屋  即売されていたオヤマボクチ、購入し我がナーサリーに植えるも、
猛暑で溶けてなくなる。清涼な高原地でないと無理 


ポールさんが軽井沢絵本の森 美術館ガーデンから草花の解説をされているビデオがご覧になれます。     http://www.gardenrooms.jp/



戻る



☆☆☆☆蓄熱式エコ暖房装置 ケットトーブRocket Stoves)〜 普及の兆し☆☆☆ 27、Dec.2011 

  ドラム缶大小2個を利用したセルフビルドの蓄熱式薪暖房装置が北アメリカや北ヨーロッパで人気。
日本へは2005年にアメリカよりその仕組みが伝えられ、通常の箱型薪ストーブに比べ薪消費は6〜7割
で済み、蓄熱式であるため熱効率が良く多くの長所があるようだ。 

ただ急速に暖まるものでないうえに、10〜15cm程の小さな焚口に細い薪、枝をくべるためこまめに
供給する必要があるので、常住の家庭やベンチに座して暖をとるライフスタイルにはおすすめ。
場所や使い勝手で考える必要があるようだ。
暖まるのは遅いが一度蓄熱されれば、一晩中温かさが保たれる。箱型ストーブのように薪の供給が絶えると直ぐに冷えてくるのとは大きな違い。蓄熱タイプは夜中に何度も薪を供給する必要はない。

早速、箱型の大型調理ストーブをこのロケットストーブに入れ替えた追分のカフェ
“だあーちゃ”で見学
させてもらった。ベンチに腰かけ焙煎マイルドコーヒーを頂く。
オンドルのように足元から柔らかな暖かさに包まれ、居心地の良さを実感した。

年を取ると大量の薪を消費する箱型ストーブの薪確保は大変な重労働だ。少量の、しかも細いものを
くべる長時間蓄熱タイプのロケットストーブは人気の出る予感がする。
自給不能で全量購入の燃料、ペレットストーブに対しても新たな選択肢となるだろう。
   
   
日本実例付き解説書 日本ロケットストーブ普及協会編集1,500円  右陰に焚口 高いメイン塔がドラム缶に相当する本体部分  オンドルのような暖かなベンチとへと伸びる 
     
ピザやパン作り可能なオーブン扉 上はヤカンや鍋の利用が可能  レンガ大の小さな焚口細くした薪や小枝を縦に入れる 
     
  <ロケットストーブのお問合せ先>
杜の工房 代表 両川正
〒389−0115 軽井沢町追分777−2
0267−31−0141

 
   戻る

 
 
 

                  
〜秋に恋する芸術の森 軽井沢高原教会x軽井沢森の雫〜  Sep.15〜Nov.11 2012

木と暮らしのデザイン
軽井沢森の雫が星野エリア軽井沢高原教会(星野遊学堂)を中心とした秋のアートイヴェントのプロデュースを手掛けた。
秋色の森に白樺材などの木で作った鳥やリス、ウサギ、シカ、クマなど動物達のオブジェを配し、動物達の語らいが林間に聞こえてくるようだ。

イヴェント: 森の中の野外美術館、幸せの木のスプーン作り、実るメツセージツリー 
 
 
   
     
     
     
     
   
  淡いパステルカラーのクッションが浅葱の秋気配に映えて 思わずシャッターを 
     
   
キャンドルのフットライトがアプローチに趣を添える   
     
   
     
     
     
    美しい林間の小道 
     
     
高原教会前で友人達に祝福される花嫁   教会玄関灯にタルジェッテーポールセンのオービターが 
     
     
軽井沢高原教会(星野遊学同)内での実るメッセージツリー   大切な人へのメッセージを折り紙にしたためツリーに掛けて想いを実らせる 
     
     
     
     
     
     
    戻る