ホーム >> ブック >> ブックリスト2 >> 読書感想 >> No.91〜100
(上巻だけ読んだところです。)
教えていただいた本です。北欧ふうの事柄がいろいろでてきます。
装丁が、ぶきみだったので、ひるみました。でも、装丁が気になるけど中身は面白いと聞いていてその点は理解していたので、挑戦してみました。スピーディに読み進められます。
まずは、バイキングの船のことがあったこと。このあいだバイキングのことの本([97]『バイキング伝説』)を読んだばかりで嬉しかった。
エイリクという人がでてきますが、『バイキング伝説』で名前がでてきた、グリーンランドに最初に(?)わたった人で、サガにもなっているという「赤毛のエイリーク」という人がいたことを思い出しました。エイリク(エイリーク)って、北欧あたりの名前なのかな。
また、主人公の名前が、たしかペール・ウルフソンだったと思うのですが、そのお父さんがウルフという名前なので、ウルフソンになっているのかな、と思いました。そういえば[83]『雪原の勇者』でもホーコン・ホーコンソンとか名前出てきたな…。
[50]『3びきのくま』を読んだときに、ロシアの名前には「父姓」というのがある、と知ったので、ロシアじゃないけど、西欧の国の名前はそんなふうに父親の名前がつくようになっているのかなあ…と感じました。
「グレンデル」
という名前がでてきた。[29]『ベーオウルフ』のグレンデルからでしょうか。
また、教えていただいた、「ドブレ山」でてきました。アスビョルンセンの『ノルウェーの昔話』にドブレ山が出てくるとのことでしたので、また読んでみたいと思う。
「あざらし伝説」*もありましたし、いろいろと、そういうエッセンスが見られますね。まだ上巻だけなので、下巻も読んでみようかな。おもしろいけど、ちょっとぶきみなのが苦手なところもあるんですけど…。
トロールって、おおきいのもあれば小さいのもあるんでしょうか。トロールって、ただ伸ばしてるだけでトロルと一緒? ムーミントロールもトロールの一種なのかな。とかいろいろ思うことありながら読みました。
*あざらし伝説(参考:[57]『海と島のマイリ』)
ダヤンのお話は、雑誌で、コマ割の絵のお話になっているのを見たことがあるけど 活字の本でのものは、あまり詳しくは知りません。
あと、原画の展覧会に行ったときは、たくさん人が見に来ていたのを思い出します。
わちふぃーるど、というのは、どういう言葉の意味があるんだろう? ダヤンとわちふぃーるどの世界、池田さん独自の世界の広がりを感じます。
また、独自だけど、あ、トールキンとか、そのまた影響うけてる北欧の神話の世界とか、そういうのの影響というか取り入れながら考え出されてる部分もあるのかなと、個人的にですが感じました。
イワンはほんといい人(人じゃないけど…)。ジタンがかっこいいです。
エルフのタイクツ王のところが良かった。森の王様がでてくるんだと思ってると、えっ、という展開だったけど、最後は良かったなあ〜。
できれば今年読もうと思っていた本。気がつけばもう2月も末に近づいていて、思い切って、読もうと思いました。
むずかしかったー。時代や地理、辺境地帯の氏族の習慣など、よくわからなくて、 あと、自然や建物の描写など、いったんひきつけられるとどんどん読めるところもありますが、全体的に難しく感じた。
話の筋としても、これより、[11]『銀の枝』・[18]『ともしびをかかげて』などのほうが好きです。
■ストーリー
フィドルスは、何回か奴隷として売られたのちに、剣闘士として闘技場で戦っている。「木剣」をもらい、自由の身になる。でも自由の身になるということは、ある意味でおそろしいことでもあった。剣闘士でいるときは、いつ死ぬかわからない、その反面、外にいる連中と自分たちをわけるもの、仲間同士の連帯、のようなものもあった。それがいまでは、なんの支えも後ろ盾もない。一種の「恐慌状態」を感じながら、町をさまようフィドルスに、運命の転機が訪れる。
−−−−−−
<剣闘士・フィドルス>が描かれる序盤部分と、中盤から最後にかけて、まったく異なる世界が描かれます。
でも、世界が異なる中でも、(剣闘士時代に培った武術の技や、奴隷として訓練を受けた戦車乗りの技術が役立った、と言うこと以外に、)気持ちとして、剣闘士だったからこそのコンプレックスや、また逆に誇りが、時々顔を見せているような気もします。
王などでは全然ない、その彼が、「王」となっていく、そのように、何者でもない者が、何かになっていく… そういう過程や気持ちが、サトクリフの作品には描かれていると思います。
チャールズ・キーピングの絵は独特だなあ…。馬の足でも、線がぐるぐる〜って感じ…。 絵でも内容でも、コノリーという人物が印象に残った。
(参考:チャールズ・キーピングの絵本[53]『しあわせどおりのカナリヤ』)
「開かれた封印 古代世界の謎」
というシリーズの13です。主婦と生活社、ってこういう本もだしているのかなと不思議でした。
アンデルセンの話にバイキングの土地がでてくるのがあったし、興味があり、バイキングというおおきな文字が見えたので読んでみることにした。
といっても、バイキング全体のことではなくて、バイキングがグリーンランドや北極圏の土地を発見し、住み着いたこと、また、彼らとイヌイットの人たちとの出会いについて語られています。
これは薄い本で、1時間もなく読めるくらいだった。内容は、歴史や地理がよくわからない私には理解できたとは言えないけど、読んでいるうちに、ひきこまれていくものがあった。
グリーンランドで500年くらいにわたって生活を営んでいた北欧人。彼らがグリーンランドから姿を消したこと、それには、気候の変動、イヌイットと北欧人の争い、ペスト、などいろいろな事情が推理されているのですが、一つには、
「13世紀のなかばに入ると、ノルウェー王のホーコン4世が、それまでどこの領土でもなかったグリーンランドを自分の王国に併合したことも影響して、北欧人入植地での暮らしはますます過酷なものとなっていった。」
(p.39)
とあった。
ホーコン4世って、[83]『雪原の勇者』での、ホーコン、と関係ある人なんだろうか?
日本の物語絵本シリーズの2。
本当は[85]『百合若大臣』みたいな、壮大な英雄ものがあったらよかったんだけど、そういうのがもうない(?)ようだったので、シリーズのどれにしようか、と思った。でも、今まで外国のものばかり興味あったけど日本の物語も、そういうのもいいなと思い始めていた。
このあいだ、テレビで『風の谷のナウシカ』を見たから、『虫めづる姫ぎみ』を読んでみようかと思った。
どんなお話か、虫が好きなのかな、くらいしか知らなかった。
「平安時代後期の短編物語集『堤中納言物語』におさめられている物語の一つで、十編中もっともおもしろい物語として知られています。」
(西本鶏介さんの解説より)
そうだったのか。
姫は毛虫が大好きで、まゆげもととのえず、おはぐろもせずにいます。
とぼけたような絵がまたいいです。右馬之助と中将が女のふりをして姫の様子をうかがうところもおもしろい。
男の子たちに、「けらを」
「いなごまろ」
なんて名前をつける姫ぎみが明るくて、かわいいです。
紀元79年、ベスビオ火山大噴火により消滅したポンペイの町。その噴火直前の時期のポンペイの町を舞台にした、恋と波乱の物語です。若い恋人たち、奴隷の少女、横恋慕や策略、闘技場の戦い、親子の情愛、友情、信仰などが描かれます。
本来は長い物語のところ、短くまとめてあるそうで、そのまとめかたがどの程度なのかはわからないけど、ダイジェスト、というくらいかなあ、という感じをうけました。(想像にすぎませんが)だからさらっと読めてしまうし、そんなに感じ入る深さはないようでした。
噴火や大地震をえがいているのが重い気持ちもあったけど、読んでみました。
ローマ時代の生活は映画の『グラディエーター』や、サトクリフの作品で少しだけわかってきたけど、興味ぶかいです。
5巻のうち、3巻目。
うしろの、アンデルセンの生涯と、作品解説のところを先に目を通してから読んでいる。この巻は、ちょうど彼が失恋を何度も繰り返した、その胸の痛みを知りながら『やなぎの木の下で』を一番最初に読み彼の気持ちが思われて、せつなくてたまりませんでした。
他にも、『イブと小さいクリスティーネ』『ひとり者のナイトキャップ』など、似たような話もある(それぞれ展開はちがいますが)
でも、アンデルセンのお話は、自伝的な点もあるけど、ただセンチメンタルにひたっている話というのじゃない。すごいなと思う話もある(簡単に言ってしまいますが。)
『ひとかどのもの』
おばあさんの行動は[33]『稲むらの火』の話に似ている。ひとがどの者になろうとして、れんが一つ作らなかった者より、おばあさんの心根は祝福を受けるにふさわしいということがぐっと伝わる。
『役にたたなかった女』
アニメ『雪の女王』で『あの女はろくでなし』という回にアレンジされていた話。貧しい洗濯女をかばったアンデルセンのお母さんの思い出より、生まれた話という。アンデルセンのお母さんもまた、貧しさの境遇をたどった。
『最後の真珠』
『びんの首』
『年をとったかしの木の最後のゆめ』
ほか。
『どろ沼の王さまのむすめ』
これは、読んで、衝撃的でもありました。バイキングの土地からエジプトまでと、スケールも大きい。
「アルプスはかれには、地球がつばさをたたんだような形に見えました。もし地球が起きあがって、黒い森やたぎる流れや雲やつもった雪などにいろどられた大きなつばさを広げたら!」
(『やなぎの木の下で』より p.34)
[31]『砂の妖精』のネズビットの、短編をあつめた本です。ドラゴンが登場する短編が入っています。
ドラゴンといっても、どこか間がぬけたようなドラゴン(人を食べたりと、試練はあるけど、そんなにこわく書かれてません)がでてくるユニークなお話ばかりです。
ネズビットというひとは、想像力が豊富だったんだなあ…と思わせられます。国じゅうがドラゴンでいっぱいになったりする、突拍子もないような設定があったり、ある島では、島ができあがる過程で地球と逆にまわるはめになったため動物の大きさが大小逆だったり(ゾウは小さい)そんなところはSF的ともいえるかなあ…と思いました。
訳は、のんびりしたような雰囲気は出ているけれど、意味がつかみにくい(通りにくい)ところもあるように感じた。
(追記)
(参考:[318]『王女さまと火をはくりゅう』を後日読む。)
[74]『アンデルセン童話集1』でのシリーズの3です。
これはアンデルセンの興味というより、絵のカイ・ニールセンで読みました。
というのは、カイ・ニールセンという人は『太陽の東 月の西』の絵を描いているのですが、(私が読んだのは岩波少年文庫版で、訳も絵も違います)それが見当たらず、アンデルセンのさし絵も描いているということで、読んでみました。
このアンデルセンの本のニールセンの絵ですが、あまり好きというタイプではないけど、色がきれいです。
荒俣さんの訳は、わかりやすくて、よみやすくて、なかなかいいなと思いました。また、後ろの解説が良かったです。
シリーズの1のところでも、子ども、老人について書かれていましたけれど、今度もまた、ハっと思わせられることが書いてあって、荒俣さんの解説はいいなと感じました。
「近代的創作メルヘンの祖といえるノヴァーリス以来、デンマークのアンデルセン、そしてスコットランドのジョージ・マクドナルドたちの作品があれほど死の香に満ちみちているのは、」
(p.128)
「本書におさめた物語のいくつかは、死そのものをテーマにしているほどです。かつて子どもの物語は、死ぬほどおそろしい目にあわせる試練の物語か、そうでなければりっぱな社会人になるための教養をさずけてくれるものと相場が決まっていました。しかしアンデルセン(おそらくはマクドナルドも)はそんな定石を簡単にうちやぶって、さきほども書いたとおり「無垢の幼な子と年老いた賢者でなければ理解できない」ような、たぶんまったく新しい文学形式を作ったのでした。」
(p.128-129)
『丈夫なすずの兵隊』の話が一番好き。
「その熱さが、はたして火のためなのか、それとも、心に燃えあがった愛のためなのか、」
(p.31)
というところが、いいです。
エルンスト・クライドルフの[76]『花のメルヘン』に似ているテイストと教えてもらった、ベスコフの絵本です。
ほんとうだ、似た感じの絵本で、花や野菜の擬人化が美しく、楽しい絵本です。花の名前などあまり知らないので、文と絵と見比べながら、どれがどの花だろう…と考えながら見ました。
バターつきパンでお口べたべたの、きんぽうげの子どもたち、かわいいな。ばらは女王で、クライドルフの絵本でも花嫁さんだったし、いちばんきれいなひとですね。黄しょうぶの騎士には、ちと笑ったね、花そのまんまっていうか、花びらでかいもんね。
明るくきれいな花だけじゃなくて、悲しげな花もでてくるのがいい。
フクシャ夫人が案外すきだな。麦の穂くんは、まっすぐ。すごい髪型。気持ちもまっすぐ。ちょっと危ないくらい。
雑草たちとのいざこざは、不穏な雰囲気。仲良しこよし、がいいとは、言わないけれど、雑草のこと、嫌いすぎじゃない?
雑草たち勢ぞろいの姿がいい。
「畑の野菜は、おれたちを にくんで
なまけ者と よぶけれど、
おれたちゃ けっして すねないさ。
すねるのは 野菜のほう
そうさ、すねるのは 野菜のほうさ。」
このうたが好きです(もっと長い)。結構おくが深くて、なんかこう、気づかされるというか。
「だが おれたちゃ しっかりたっている。
どんなときにも きげんよく、
そうさ、どんなときにも きげんよく。」
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