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 「読み聞かせを始める」12のコツ

Step12 「一行為一期待」




  
  
    
    ある老教育者の教えより
        〜これは子育てのあらゆる場面に関する教えです。〜

 
 子どもは親の期待に応えようとし、親の喜びの表情を楽しみにするものです。また親としてわが子に期待をかけるのは当然のことですし、逆に「この子はこんなもの」とばかりに、親が一旦子どもの可能性を見くびってしまうと、子ども自身が持つ伸びようとする力にブレーキをかけることにもなりかねません。
 しかし、そうだからと言って、子どもの一つの行為に対して “あれもこれも” と期待しすぎると、子どもにとって負担になることもたくさんあります。「チェックし過ぎないこと」、「テストみたいな真似をしないこと」が肝心です。
 このような親の気持ちを上手に導くために、言葉の教育をご専門にしていらっしゃった文学者の老先生は、「一行為一期待」ということの大切さを教えてくださいました。先生のお話の要点を次にご紹介します。
 
 絵本の読み聞かせについて「一行為一期待」を当てはめてみましょう。お母さんが絵本を読み聞かせしたとき、親はついついお子さんに覚えて欲しいことやチェックしたいことが頭に浮かんでくるものですが、しかし、その気持ちは二の次にして、一番大切なこと、「絵本の楽しさを味わってもらうこと」を期待しましょうということが、絵本の読み聞かせの場合の最初の「一行為一期待」です。
 お子さんが一人で本を読めるようになったら、確かに発音や読み方などあれもこれも親として気になることがあるでしょうが、いちいち注意していては、子どもは緊張してしまって、読むこと自体に抵抗を感じるようになってしまいます。こうなれば元も子もありません。まず、読むことが楽しい習慣になるように期待するのが、ひとり読みになったときの最初の「一行為一期待」です。
 つまり、お子さんの成長に合わせて、そのときの状況に合わせて、「一つの行為に一つの期待、一つのことには一つの目標にとどめておきましょう」ということです。チェックしすぎないで、一つのことに的を絞り込むことが大切だということですね。的を絞ってそれが旨く行くように、励ましたり、旨くいったことを認めたりしたいものです。
     「一行為一期待」は色んな場面で有効です。
 小学校の低学年の宿題で「本読み」が出されることがありますが、教科書を音読しているお子さんの傍らでお母さんは、「もっと、気持ちをこめて。それから元気良く。あ、また漢字間違えた。・・・・」と矢継ぎ早にチェックしていませんか。これではお子さんもゆったりと読めませんね。音読はそれ自体に素晴らしい効果があります。音読自体が大脳の前頭前野を活性化するのです。お子さんの音読という行為には、「何度でも音読してみよう」とお子さんが思ってくれるということを最初の「一期待」としてはいかがでしょうか。「本読みしてるのね。良いことだね。○○ちゃんが本読みしているのを聞くと、お母さんも嬉しくなるよ」というように。

[演習]
 今日の「一行為一期待」を思い出してください。そしてそのときのお母さんの言葉かけの工夫を考えてください。
(例)
今日は一人で着替えをした。シャツが前後ろ逆だったかなあ。
「できたね。ひとりで洋服が着れたね。(シャツが前後ろ逆だったけど、いいか。)」・・・「ひとりで出来て、お母さんも嬉しいなあ。」(明日は、前後ろが解りやすいシャツを着せてみよう。)

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