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 「読み聞かせを始める」12のコツ

Step3 子供の背中に読み聞かせ♪




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「親の背中を見せる」
〜読書環境の両輪/「絵本が身近にたくさん」「親も本を楽しむ」〜
◆「読書は家庭で始まる」、「子どもは親の背中を見て育つ」、こう言うと、もうお分かりですね。そう、親自身も読書を楽しもうということです。家庭の中に、親御さんご自身の生活の中にある「読書を楽しむひととき」は、自然な読書環境となります。本に触れるのが当たり前の家庭、そして何よりも大切な待つ気持ちがあれば、お子さんは本を心と頭の栄養にして育っていくことでしょう。


 <親の背中を見せたお母さん方の例>
 [1]現在小2のお子さんで、本が大好きになっています。お母さん自身が本好きなので、読書のひと時は比較的自然にもてた方ですが、お子さんが誕生してからは、お母さん自身が絵本を楽しむようになったそうです。絵本は読んでみると、大人も楽しめるということが分かったそうです。絵本は、大人が子どもに読み聞かせるように作られているものが多くて、しかも大人も楽しめる本が多いことに気づいたそうです。お母さんが絵本を楽しく読んでいるので、お子さんに読み聞かせしてもお子さんも楽しそうに聴いてくれたそうです。「私が絵本が好きだったから、子どもも本好きになったと思います」と仰っていました。

 [2]2歳、5歳,、12歳のお子さんです。みんな本好きになっています。このご家庭は今では200冊以上の絵本があるそうです。家庭の中では、絵本が子どもの手に届くところにあったそうです。これは単純ですが、結構ポイントをついています。子どもが本好きに育った家庭の多くで、「絵本が子どもの手の届くところにたくさんあった」ということが言われます。(当然、図書館通いもその環境の一つです。)
 こちらの家庭でも、少しのオモチャもあるのですが、たくさんのオモチャの代わりにたくさんの絵本があります。絵本がオモチャのようにあるのです。勿論、お子さん方には生まれたときから読み聞かせをしてきました。みんな少し成長したとき、お母さんも読書好きで、大人が読む難しい本もお母さんは読みます。その姿を見ていて、子どもたちは自分でも絵本を読むようになっています。2歳の子は、5歳の子が読み聞かせてしてあげることもあるそうです。
 みんなで読むときは、お母さんが「すきな本を持ってきなさい」と言います。子どもだちはそれぞれ数冊ずつ持って来て、お母さんが読み聞かせするそうです。10冊くらいをみんなで読み聞かせ、楽しそうですね。


「子どもの背中に読み聞かせ」
    〜どうしても関心を示さないお子さんへ〜

 ◆「子どもの背中に読み聞かせ」は、絵本を読み聞かせしても絵本に注意や関心を一向に示そうとしないお子さんのために特に心がけたい言葉です。1歳後半から2歳台〜3歳となるに従って、自由と好奇心を謳歌しているようなお子さんがいます。なかなか親御さんの言葉が耳に入らないようなお子さん、一心不乱に他のことばかりに夢中になり、自分の世界に入ってしまうお子さんがいます。性格の範囲内の場合もあれば、なんらかの理由や原因によってこのような行動を示すお子さんもいます。
 このように親御さんが絵本を読み聞かせしようとしても、じっとしていないお子さんには、「子どもの背中に読み聞かせ」という言葉を思い出してください。長い道のりになるかもしれません。数週間、数ヶ月の場合もあります。数年かかることもあります。でも、その間の読み聞かせは決して無駄ではありません。お子さんは心で聞いていてくれていると信じてください。親御さんの声です、届かないはずはありません。

 <子どもの背中に読み聞かせして>
 ◆2歳の時に自閉症と医者から診断されました。読み聞かせをしても、一向に聞こうともしませんでしたし、無理に聞かせようとするとパニックになっていました。健常な子のように、親が導きが通じない状態だったのです。ひとりでやっていることが上手く行かなかったり中断させられたりすると、大声で泣き叫び、家の中は嵐のようになります。どうやったら心が通じるか、将来ひとりで生きていけるだろうか、知的な成長は望めないのか、親御さんにとっては不安の毎日でした。
 子どもにはモノが読める子になって欲しい、人の話が聞ける人になって欲しいと、お母さんは言葉を身につけてもらいたいという願いでいっぱいでした。そして「『絵本の読み聞かせ』は良い」と藁にもすがる思いで読み聞かせを本格的に始めました。しかし、やはりまったく見向きもしません。絵本の絵さえ見ようとしません。それでもお母さんは、「母の声は届いている」と信じて、子どもの背中に向かって読み聞かせを続けました。しかし、やはり、いくら読み聞かせてもこちらを振り向いてくれません。もう、いつもでも待っているという気持ちでお母さんは毎日毎日何年も「子どもの背中に読み聞かせ」を続けました。・・・そして2年がたったあるとき、読み聞かせしているお母さんの方を向いて、子どもがふと口ずさんだのです、いつもお母さんが読み聞かせをしていた本の言葉を。そして本の言葉や台詞が次から次に子どもの口から溢れて出てきたのです。・・・このお子さんは今では大の読書好きになって、幅広く本を読んでいます。今の様子を見ると、この子が重度の自閉症だったということを誰が信じるでしょうか。
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