こころの休ませ方
はじめに
健康癒しの時代といわれて久しいですが、このページをご覧の方は、「リラックスをする」とか「のんびりする」ということを、
「だらだらする」「だらしない」と直感的に判断してしまう真面目な人。もしかしたら、パソコンやケータイ、スマホなどを手放せなくなって、
ふと気づいたら、なんだかしんどい~なんて思ったことのある人かもしれません。
世の中にはしていい我慢としなくていい我慢があります。していい我慢とは人のため自分のための我慢。
「世の為人の為めぐりめぐって我が為なり」です。しなくていい我慢とは、人のためにも自分のためにもならない我慢です。
ところで「病」と漢字には「やむ」という意味のほかに、「くるしむ」「くるしめる」「やませる」「やましめる」「害を与える」という意味があります。
周りのさまざまな気(ストレス)に苦しめられ、それらの気(ストレス)が自分の気に害を与え、日常生活に支障が出る。これが「病気」です。
長期間受け続けたストレスが要因になる病気は非常に多く、うつ病だけではありません。明日突然、一生治らない病気になることだってあります。若さとは関係ありません。
周りに合わせている人、気を使っている人、自分のことを後回しにしている人。自分では気づいていないけれど、
もう十分すぎるほどからだは我慢しているかもしれませんね。まずは自分の体勢を整えましょう。
脳を休める
- まずは静かな環境を
- 心身の疲労具合にもよりますが、まずは静かな環境を。
自分だけの心地良い居場所を確保しましょう。部屋でもベッドでもクッションに埋もれている部屋の隅でも、河川敷でも。
とにかく静かな場所です。花や草木が見えたり、遠くまで空が見えるなど視界が広いとさらにいいですね。
テレビ、パソコン、ケータイ、スマホはオフです。オフの日やオフの時間帯は公言しておきましょう。
- 明日できることは明日にする
- 脳を休めるときにはあきらめも肝心です。ついつい「しなければいけないリスト」を頭の中で作ってしまう方は多いと思いますが、
リストを書き出してみると、案外その瞬間1分1秒にしなければいけないことはそうそうないことに気づきます。
ストレスを受けると、脳内では短期記憶の一種であるワーキングメモリの働きが低下し、あらゆる段取り、
ちょっと憶えておかないといけないことなどが憶えておけなくなります。
そんなとき無理に行おうと試みたところでうまくいきません。そこで何とかうまくしようとさらに試みても、
脳の機能が低下しているのですから傷口は広がるばかり、失敗が失敗を呼ぶ結果になります。
平常時でも人間できることは3つまで。それができなくなっていると感じたときや何から始めたらいいかわからなくなったら、脳に休みが必要なときです。
たとえばついさっきまでうまくできていたことも、なんだかわけがわからなくなってきたら休憩と取りましょう。
脳の機能が低下しているのですから、できないことに焦ったり慌てたり嘆いたりする必要はありません。明日のことは明日が決めます。
もし「あきらめる」という言葉に抵抗を感じるなら、「オンとオフのメリハリ」と言い換えてもかまいません。
それでも抵抗がある人は、スイッチをイメージトレーニングして、オフを押してください。
- 自然の香りを取り入れる
- 人の嗅覚は脳の中で一番古くからある感覚です。そして気持ちや記憶をつかさどる部位もまた、嗅覚と同じ脳の一番古い場所にあります。
そのため視覚や聴覚とは違い、においは気持ちや記憶をつかさどる部位に直接刺激を与えます。
人類の歴史から考えると、私たちは「自然」から離れた生活をしてまだ日が浅く、時計の時刻で考えるとまだ0.01秒しか文明の中で過ごしていません。
人間には「自然」の中がまだ一番のふるさとであり、自然の香りを嗅ぐと癒されたり元気付けられたりする理由のひとつでもあります。
自然の香りはさまざまな物質で構成されており、近年どの物質が脳にどう影響をするかがわかってきました。
たとえばアロマテラピー(芳香療法)で使用されている精油の物質の作用として、
イライラピリピリと緊張しているときや神経が高ぶっているときの真正ラベンダー( true labendaer )は有名です。
ほかに、心細く元気がほしいときにはオレンジなどの甘い柑橘系、
心を沈め安らぎたいときにはサンダルウッド(ビャクダン:お香で一般的に使われる。仏教儀式の道具や扇子の骨にも使われる。)のような樹木、
心が重く嘆き沈んでいるときにはそれを和らげる乳香
(フランキンセンス/オリバナム:古代より珍重されキリスト誕生物語の中で捧げ物のひとつとされたり、宗教儀式で使われたりしている。お香のような香り)などがあります。
(「アロマテラピー」)
また、部屋に天然木の家具を一台でも置くと部屋の空気が変わります。
- 刺激を減らす
- 部屋で過ごす場合は部屋を暖かくしましょう。屋外ならじっとしていても暖かいほどの格好を。
絶不調のときは部屋を暗めにして光や音も含めた刺激を減らすと、疲れた神経が落ち着きます。
- 体をあたためる
- 寒いところでは、私たちの体は脳や心臓を守ろうと血液を体の中心部に集中させるため、手足にまで血液を送り出さない措置をとります。
交感神経を高ぶらせるのです。交感神経が高ぶると、末梢の毛細血管が収縮し、手先足先に血液が流れなくなります。
極度の緊張や不安もまた交感神経を高ぶらせます。不安のあまり顔面蒼白になったり、緊張で手が冷たくなるのはそのためです。
交感神経の高ぶりを抑え心身の負担を軽くするために、目を閉じ深呼吸しながら体をしっかり温めましょう。
ブランケットなどで体を包み横になり、動脈のある首、深部に近い肩・背中、末端につながる太ももや腕にホットタオルなど温かいものを巻いて目を閉じ、
ゆっくり深呼吸を繰り返します。
からだがホッ!とする飲み物は、蜂蜜入りホットミルク、ロイヤルミルクティーなどカフェインの入っていないもの。
からだがホッ!とする食べ物は、温かいうどん(関西風)など。
ブドウ糖とオリゴ糖が主成分でミネラルも含まれる蜂蜜は疲労回復に役立ちます。牛乳は神経や筋肉の興奮をコントロールし、
免疫機能やホルモンの分泌のコントロールに欠かせないカルシウムが豊富なためイライラや不眠症に有効として評価されており、
必須アミノ酸も豊富に含んだたんぱく質やビタミン類がバランスよく含まれています。
(健康上問題がなければホットチョコレートや、薬を服用していなければ少量のホットワインなど。)
※ホットタオルの作り方:水で絞ったタオルをビニールに入れ電子レンジで数秒。肌触りの良い布にくるんで出来上がりです。
※温かいうどん(関西風):市販の「白だし」と粉末こんぶ、水と冷凍うどんだけでも簡単にできます。
- 音楽の力
- 健康体のときは、「動」の交感神経と「静」の副交感神経がシーソーのように交互に動いているものですが、
このバランスがくずれ交感神経にばかり偏ると神経は疲れます。
心身ともに疲れきってしまい、それこそ「もうギリギリ~」のときは音楽をムリして聞く必要はありません。
もし音に過敏でなければ、穏やかなメロディやα波の出るような曲、環境音楽などがおすすめです。
神経が過敏になっているときは、フルートなどの吹奏楽器や二故などの柔らかい音色に安心感を覚えます。
副交感神経を刺激するといわれる音楽も数多く売られています。
(「リラックスできる音楽」)
- 視覚
- 感受性の豊かな人や神経が鋭敏で観察眼の鋭い人、厳しく育てられた人は、リラックスが特に必要な人です。
視覚情報もリラックスとは切り離せません。不安感や孤独感が強いとき、
心身をリラックスさせるには白熱灯等の暖色といわれる赤、橙、黄系の「赤い灯り」がおすすめです。
ひとが穏やかな心地とのびのびとした充足感を覚えるのは、コンクリートと鉄の人工物から解放されたときです。
そしてくつろげるのは仕事が終わった後の夕食と団欒のときです。
たとえば一日のはじまりを告げる朝の光や、アフリカの大自然を駆けている自分を想像してください。
原始の狩猟時代、闇夜の赤いたきぎの光は一日のくつろぎの時間でした。
深夜は暗闇で眠り、朝の光で目覚め、昼の光の下で動き、たきぎの火で食事をし団欒をしました。
人類の生活スタイルを時計で例えると、現代社会は23時59分59秒59から始まります。
人類の歴史の中ではたきぎの火のほうが圧倒的に長いのです。
単身赴任のお父さんが仕事帰りに居酒屋へというのもなんだか分かるような気もしてきます。
一日の終わりのくつろぎの時間、温かい食事にあたたかな赤い灯りを灯しましょう。
※赤い灯りには、物体に陰影をつけ立体的に見せてくれたり、物体の色を落ち着かせる作用があるため、
ポップな色のお部屋や無機質なインテリアのお部屋も「赤い灯り」を灯すことで、リラックス空間にすることが出来ます。
- はっきりした理由もなく涙があふれてつらいとき
- 何週間も続くようならお医者さんに行ってください。
精神科に行きたくなければ内科に、お近くに総合内科があれば総合内科に、同時に体の調子もよくなければ心療内科に。主治医がいる方はまずは主治医に。
何らかの病気や障害、薬が原因で気持ちが不安定になっている可能性もあります。
-
※精神科・神経科・精神神経科・神経精神科とは:精神科領域で、精神疾患を精神面より医療を行い、
脳の機能的障害によって起こる精神疾患、抑うつや不安イライラなどのいわゆる「心の病」を診る診療科。
うつ病、不眠症、適応障害、不安障害、てんかん、統合失調症、強迫性障害など多岐にわたります。
※心療内科(日本心身医学会会員)とは:内科領域で、ストレスが原因で生じる身体症状と心の治療を行います。
身体症状のほうが強い場合は、心療内科を訪れてみてはいかがでしょうか。
※神経内科とは:脳神経系の器質的な病気のうち、内科領域を診る診療科。神経系に起こる障害を扱います。脳梗塞や脳出血、パーキンソン病、多発性硬化症などです。
※脳神経外科とは:頭部外傷やくも膜下出血、脳出血など脳や脊椎の手術を行います。
- はっきりした理由があり涙があふれてつらいとき
- つらい気持ち悲しい気持ち不安な気持ちは人間の正常な反応です。主治医がいる方は主治医に、
周りの人には言えない気持ちを抱えている方は、電話で、匿名で、気持ちを聞いてくれる窓口があります、相談できる人がいます。
どうかコンタクトを取ってみてください。(「相談窓口一覧」)
何週間も続くようならお医者さんに行ってください。
精神科に行きたくなければ内科に、お近くに総合内科があれば総合内科に、同時に体の調子もよくなければ心療内科に。主治医がいる方はまずは主治医に。
何らかの病気や障害、薬が原因で気持ちが不安定になっている可能性もあります。
長期間にわたるつらい状況は体やこころばかりでなく脳にも毒です。ストレスを受けたときに出るコルチゾールというストレスホルモンが、
海馬という記憶を担っている脳部位の細胞死を促したり細胞の誕生を阻害することや、
長期間ストレスホルモンにさらされ続けると脳の神経細胞を萎縮させることがわかってきました。
(「PTSD/トラウマ」→「相談窓口一覧」の「病院」EMDR)
行動や感情の抑制を担う脳部位が働かず、自分で気がつかないうちに冷静な判断ができなくなる恐れもあります。
どうか一人で悩まず相談窓口にご相談下さい。(まずは公的な相談窓口が安心です。)
余計なことは考えない
今一番気がかりなことは何ですか?今不安に思うことや心配事は何ですか?えっ、ひとつじゃない?ごもっともです。
とにかくそれらをせめて今だけは考えないこと。えっそんなことできない?マイナススパイラルにハマってしまっちゃったんですね。わかります。
頑張っているにもかかわらず一向に解決策や道筋は見えません。きっと脳のガソリン不足だからです。ガソリンは欲しいですね。
しかし残念ながら車のように一度に入れることは出来ません。
そもそも人間が真剣に同時にできることは3つが限界だそうです。
そのうえうつ状態になると脳の機能は低下します。無意識につけてきた行動や考え事の優先順位もつけられません。
こうして並列になってしまった「考えなければいけない事」は、私たちに、考え事が急に増えたように感じさせ、混乱させます。
また抑制力も落ちるため、「考える」のを途中でやめるとこと難しくなります。
では考え事を小休止させるにはどうしたよいのでしょうか。
機能が落ちた脳の神経細胞を復活させるには適度な運動がよいことがわかってきました。
人はイライラすると熊のようにうろうろしたり貧乏ゆすりをすることがあります。これは脳の機能を復活させようとする正常反応だったというのです。
しかし今これは却下されるかもしれません。
うつ状態になると体が重くだるくなっています。頭がいいので何でも頭でこなしすぎ、「思い出し」「振り返り」をするのが習慣になっています。
そこで「何も考えない」というのではなく、
少しの時間だけでも先読みをせず「まったく違うこと」をしてみましょう。戻る必要はありません。今考えていることから離れても大丈夫です。
もしマイナススパイラルにハマりそうになったら、人は休んで動き動いて休む動物だということだけ思い出してください。
可能ならちょっと動いて休んでみましょう。そして試みているのに休めないときは、第3者の手を借りてでもいったんは休まなければいけません。
医療機関に相談してみることも必要です。
- 今は○○のど真ん中
- 頭では分かっていることだけに、嵐が過ぎ去るのを待とうと考えるのもつらいもの。そこでこういうのはどうでしょうか。
待ち合わせまであと30分。
幹線道路を渡ろうとしたそのとき、ドドドドド、ドドドドド。走ってきたのは自動車ではありません。
自動車なら、歩行者用信号が青になれば渡れますし、自動車の数がまばらなら手を挙げて、怒号とクラクションとに頭を下げながらなんとか渡れるかもしれません。
ところが今回は予想もしなかったことが起こります。ンガンガフガフガ、あっという間に目の前もうしろも、
渡るはずの道路も今まで歩いてきたところも、すべてが薄いベージュ色をした丸いぶたの集団で覆われてしまうのです。
かれらは信号無視ですし、手を挙げても当然のことながら止まってくれそうにもありません。
ただ集団には流れがあります。こちらの予想とはまったく違う方向に流れます。左から右に向かって通り過ぎてくれると思いきや、
うしろから前に、そうかと思えば前から突進。ンガンガフガフガブーブードドドドド。
相手はまったく人間を意に介しません。my wayを進むだけです。
ここでへたに動いては巻き込まれ体力を消耗し大怪我をするだけ。 もうこうなっては慌てることも焦ることもあきらめました。
急ぐこともあきらめました。じっとしていました。
あきらめたので、ぶたの観察を始めてみました。大きいの小さいの白いの黒いのもいました。走るのが遅いのも速いのもいるようでうす。
1頭が転げた様子。あはは、どんくさいなぁ。笑ってみる余裕もでてきました。そのうち最後のぶたが目の前を走り去りました。
あ~またとない面白い体験だったなぁ。ふと気がつくと、幹線道路の反対側に待ち合わせしていた相手が手を振っていました。
・・・諦めがつかないときは、ぜひ想像力を駆使(しないとわかりづらい?)してください。
― 「自分は今、ぶたの群れのど真ん中」です。
- 中断する勇気、やめる勇気を持つ
- うつ症状が出るようになると、「仕事」と思ったことや「考えとかなきゃ」と思ったこと、つらい気持ちを途中で中断することができなくなることがあります。
脳の機能が低下し抑制力が落ちたためです。ソファーに横になっても、気になって気になって頭の回転をとめることができません。
もうそれは「仕事」です。脳が仕事をし続けている状態です。人は休んで動き動いて休む動物ということをどうか思い出してください。
つい原因を探してしまうかもしれませんが、今はそのときではありません。すべてやめましょう。
勇気を出してほっぽりだす。ずっと休まず考え続けて無理だったものは、この際、いくら考えてもムリだと潔く諦める。 勇気を出して違うことをする。
頭の中を強制的に変更するには、屋外での活動やスポーツ(特に対戦型)はお勧めです。
そこまではとてもとてもという人には、勇気を出して映画(DVD)を観たり、なつかしの音楽を聴いたり歌ったり、勇気を出して本を読む。
本はファンタジックなものがおすすめです。勇気を出してよそ事をしてみましょう。
リラックスして食べる
「リラックスして食べなさい」とうつ病関連の本にはかならず出ています。さてリラックスして食事ってどうするんだったっけ。
空腹時と満腹時で人の神経回路は変わります。
空腹が近くなると、生きるために食べなければなりませんから無性に行動したくなりイライラします。
獲物を探すため、アドレナリン全快で緊張し集中力が増します。交感神経が活発なときです。
そして、獲物を捕り食べます。ほっとする副交感神経が働き始めるときですね。それまでの張り詰めた神経を解放し、酷使した脳や体に休むよう働きかけます。
満腹になると血糖値が上がり眠くなる、そこで、休む。そしてまた空腹になる。人の体はこのサイクルを続けています。
シーソーのように働く交感神経と副交感神経の調子がちょっぴり悪いうつ状態のときこそ、
まずしっかり食べて緊張してきた「仕事」神経を緩め、脳や体をリラックスさせてあげたいものです。
そのためにはまず食事がのどを通らない状態を脱することが先決。食事がのどを通らないのは、イライラや不安などを抱えて交感神経が高ぶっているせい。
「脳を休める」の項で詳しく書きましたが、まずは体を温めてみてみることから始めてください。消化の良いうどんなどは一石二鳥です。
- 食事のメニューに悩まない
- 常日頃、食事の用意を担当している人がこういうとき、食欲もなくメニューも思いつきません。
そんな時は好きだったものを試しに用意してもらう(高熱のあとのメロンと同じです)。
お惣菜、デリバリー万歳です。なんでもよし。自分で作らなければいけないなんてことにこだわる必要も、栄養素にこだわる必要もありません。
お酒タバコを嗜み、肉食でコーヒー好きの100歳のダンディな人がいました。長い生涯、ほんの少しの間偏食したって大丈夫です。
なにかなったらなったで、今の状態は脱します。気を大きく持って。
たとえば。お惣菜コーナーで左端から順番に選び、1週間分冷凍しておく。毎週土曜日は、家にあるデリバリーチラシの一番右にあるメニューを注文する。
困ったときはチーズベーコンスクランブルエッグ&ホットミルク。とにかく左から2番目、上から2つ目、特定メニューと決めておく。
- ゆっくり食事
- いったん口に食べ物を運んだら、箸を置き、よそ事を考えず、ただただがむしゃらに、ただひたすら料理に意識を注いでみましょう。
どんな香りかしますか。買ってきたお惣菜ならラベルと比べてみましょう。違うものありませんか。全調味料やスパイス、使われた材料は何だと思いますか。
もし調理をしてくれた人がそばにいるのなら、全調味料やスパイス、使われた材料を言い当ててみましょう。自分流にその料理の名前を考えてみてください。
肉じゃがならボローニャ風ポテトシチュー with Japanese soi source なんて。
- ごく近しい人と
- 気疲れしない親しい仲間や家族で食べると気がまぎます。ほんの少しの間でも、抱えている大きな問題から遠ざかります。
問題からしばし離れ、脳を休ませることはここではとても重要で、食事はその助けになります。孤食は避けましょう。
「気分がまぎれるよ」と誘われると、「まぎれること=逃げること」と思ってしまうかもしれません。
そもそも「逃げること」自体、時には正しい行いなのですが、うつ状態のときは冷静な判断ができず、悪いことをしているような後ろめたさや自責の念に駆られがち。
もし外出できるようなら、「ちょっとお茶でも」と軽い気持ちで昔ながらの喫茶店や静かなホテルのラウンジ、
自然のある公園へのピクニックなどにでかけてみましょう。
大事なことは、決して先読みはしないこと。
- 食事の材料
- 材料云々より今はとにかく食べることがなにより大事。
あえて言うなら、考えすぎて頭を使いすぎているので、脳の栄養分ブドウ糖は昼間は摂りたいところです。
すぐに脳に運ばれる蜂蜜は朝食にぴったりかもしれません。バナナも簡単お手軽です。あとは牛乳たっぷりホットカフェオレと一緒に。
胃は弱っていることが多いため、夕食は胃への負担や寝つきへの影響を考えると、消化のよい軽めのものを。
(「食べ物」)
意識を食事に向ける材料として、チキンソテーならローズマリーを多めにする、サラダなどには生レモンをたっぷり絞る。
ダイニングをライムの香り(アロマテラピーの精油)にするなどの方法もお試し下さい。
また、夜(寝る前4時間)は、にんにく料理やコーヒーなどのカフェインの入った飲み物は避けましょう。
眠りについて
朝に起きだし、太陽が沈むと寝る。一見当たり前のことのようですが、人間の生態リズムは本来24.5時間~25.5時間周期のため毎日少しずつずれていきます。
このズレが1日24時間リズムに修正されているのは、自律神経により交感神経と副交感神経のバランスが保たれているからです。
これら神経バランスへ影響を与えているのが、太陽光や気温、食事などの外的な因子といわれています。自律神経の乱れは心身の不調につながります。
決まった時間に寝起きしましょうとどんな本にも出ていますが、頭では分かっていても、マイナススパイラルにつかまっちゃった人には無理というものです。
寝なければいけないと思えば思うほど、悲しいかな、眠りは遠ざかるのですから。
そこでちょっとした秘策です。お医者さんの書いた本とはちょっぴり違うかもしれません。
もうここまで読んでくれたのであれば、潔くあきらめてお試し下さい。夜眠れるようになれば SO GOOD です!
- 寝る時間にはこだわらない
- 寝る時間にはこだわらない。眠くなるまで、たとえ朝の5時であろうとかまわない。
そして朝は時間を決めて起きる。可能なら3時間単位で起きる時間を決める。(人は睡眠中ノンレム睡眠とレム睡眠という状態を繰り返しおり、
それぞれほぼ1.5時間づつ。その切り替わりの時間帯は眠りが浅くなるためスムーズに起きやすい。)
たとえば明け方5時に寝たとしたら、8時に起きる。
人は習慣性を好む生き物です。朝に慣れてくれば、夜型遺伝子の人でも社会生活に対応できる範囲で調整が利くように。
- 朝は徐々に部屋が明るくなるように
- 太陽の光はこころに影響を与えます。北極圏に近いところでは冬場にはうつぎみの人が増えるということが知られています。
夜寝る前に部屋のカーテンを開けておいて、朝には徐々に部屋が明るくなるようにしてみる。最近、朝徐々に明るくなる照明器具が売られているようです。
- 空腹感
- 夕食は寝る3時間くらい前には食べるようにし、朝はお腹が空くようにする。
人は昼型のため、体は朝が来ると行動を開始しようとしてエネルギーを欲します。そこを利用します。
- 水を飲む
- 睡眠を妨げるような病気や水分制限のある病気などの支障がなければ、寝る前に200mlコップ1.5杯~2杯の水を飲んでみてください。
目覚めや腸の調子がよくなります。
- 体温
-
人の体は体温が下がり始めると眠くなり、朝起きる頃に徐々に上がってきます。お風呂でいったん体温を上げてやると、
下がっていく過程で眠りを誘いやすくなります。また目覚めが良いように、朝の体が温まる手助けをしてやると起きやすくなります。
たとえば、パジャマだけだった人は中に肌着を着る、冬場だとホカホカのシーツや電気毛布を敷くなど、普段より暖かくして寝てみてください。
(寝入る頃に体が温まってしまった場合は、しばらく夜風にでもあたって少し体温を下げます。)
- たのしくストンと眠りにつく方法
- 夜ベッドに入ると、思いとは裏腹に頭の中はますます活発になります。
それを止めるいい方法。楽しんで眠り、良い目覚めが得られるというものです。正直言うと秘密にしておきたいところですが。
それはロアルド・ダールの本
(ロアルド・ダールコレクション 7 奇才ヘンリー・シュガーの物語)から思いついたものです。
親の遺産でのらりくらりと暮らす青年が、ひょんなことからろうそくの炎を見て顔を思い浮かべる練習を始める。
そのうちトランプの裏が見えるようになり、カジノで儲け、慈善事業に目覚める。今あるなんとかというスイスの慈善協会がそれだ。というお話。
笑うなかれ。それを面白半分でやりました。 ベッドに入り、目を閉じて、顔を思い浮かべる・・・。
・・・はっきり出てきません。したがってランプの灯りの残像を追いかけることになります。ろうそくをつけている人は必ず先に消しておきましょう。
次に目が開くのは朝ですから!(トランプの裏はいまだに見えません。(笑))
- 照明、灯り
- 寝る前の3時間は照明を落とし暗闇を増やし、体に夜だということを認識させます。
温かみのあるキャンドルの灯りや白熱灯のような赤い灯りを間接照明として使ってみるのもひとつです。
光周期情報を脳に伝える役割をもつメラトニンというホルモンがありますが、人に対しては睡眠を促進する効果があるといわれています。
パソコンの画面はメラトニンを阻害するといわれているため、寝る前にパソコンをしていて眠りが遅くなる人は、
寝る前(2時間くらいは必要)のパソコンをやめてみましょう。
また夜は感傷的になりやすいので気合の入ったメールの読み書きなどはやめ、恋人同士や家族の愛情メールだけにしておきます。
もちろんブログやSNSなんかも夜は休憩です。(しっかり眠れる人や態勢に影響のない人は気にせずお続け下さい)
- 寝具
- あきらかに病気などではなく朝にまだ疲れが残って体がだるいようなら、マットレスや枕を変えてみる。
枕は、仰向け寝なら、首が少し前へ、顎が気道をふさがないくらいに伸びている状態がよく、横向き寝なら、肩がつまらず、首・頭マットレスに並行な状態がいいようです。
バスタオルで調整してみてください。
立ち姿勢の状態が横になっても保たれている姿勢が体に負担をかけない寝姿勢といわれます。
人の筋力は年齢や環境とともに変わるため、寝姿勢になると立ち姿勢の状態を維持することが難しくなる場合もあり、そのようなときは寝具を見直す時期かもしれません。
- 太陽の光に当たる、散策をする
- 日頃あまり当たらない方ならよくご存知だと思いますが、太陽の光は相当疲れます。太陽はそれほど強烈なものです。
人は夜より昼間、蛍光灯より太陽の下のほうが気持ちに余裕があります。
もし外出が可能ならば、梅林やお花見、森林公園や緑地公園、紅葉などの散策を。
太陽の光と自然の景色や空気は、人類が誕生してからずっと過ごしてきた世界です。
人類はまだ電気やコンクリートや鉄の環境に合うようには進化していません。時計に例えるとまだ0.01秒しか文明社会を生きてはいないのです。
適度な運動は、うつで萎縮した脳の神経細胞を再生することもわかってきました。
急にはしんどいですので、ぼちぼちと散策から。昼間の緑の中の散策は、人類の体に合った本来の環境を味わえ、
体への適度な疲労と心身のリフレッシュ、夜の入眠を促してくれます。
ふらっと出掛けるより、行き先と目的を決めて誰かと会話をしながら出掛けるほうが向いていると思いますよ。
はじめのうちは、移動時間の短いほうがいいでしょう。早く元気になろうという焦りなどから知らず知らずのうちに頑張って遠くに行き、
結果、心身に負担かかる場合もありムリは禁物です。
元気になったら、うつ予防として潤いある生活の楽しみとして、スポーツや屋外での趣味がはじめられるといいですね。
- どうしても眠れないとき
- 生活や仕事に差しさわりが出るほど眠れないときや、生活や仕事に差しさわりが出るほど昼間に眠気を催すときなどは、
何らかの病気や障害が潜んでいる可能性もあります。眠りたいのに長い間まともに眠れていない、
あるいは眠れていないようなときが続く場合は、医療機関にご相談下さい。第三者の手を借りてでも休まなければなりません。
全身の力を抜く方法
全身が緊張状態にあるといわれればそうかもしれない。違うといわれれば違うかもしれない。
体の力を抜いてリラックスしましょうといわれても、力が抜けているのやら抜けていないのやら。この方法なら力が抜けますし、抜けていくことを実感できます。
(ついでに肩こり対策もつけてみました)
- 全身の力を抜く方法
- 部屋の温度を体に心地よい暖かさにしてベッドに仰向けで横たわります。目を閉じ、全身に力を入れます。頭皮から足の指まで力を入れる感じです。
- つぎに、全身に力を入れた状態のまま、意識を頭のてっぺんに集中します。そこから順番に力を抜いていきますから、心積もりを。
- まず、額の力を抜きます。眉の力を抜きます。頬の力を抜きます。意外と顔にも力が入っていたのがわかります。
- そしてゆっくり少しずつ意識を下に移していきながら、部位部位で丁寧に力を抜いていきます。肩の力を抜きます。腕の力、指先、胴、太もも、膝・・・。
- ベッドに沈みこむような、一体化するような気持ちになり心地がいいのです。
そのまま眠りについてしまう可能性もあるので、夜、ベッドや布団など眠れる環境でお試しを。
- 肩こりを軽くする方法 1
- 肩から首にホットタオルを巻いて肩甲骨と床面を水平にくっつけるような姿勢で仰向けに寝ます。膝は45度くらいに立てます。
音楽でも聴きながらしばらくその状態を保ちます。姿勢が悪くなったときの肩こりに。
- ※肩や尾てい骨などが痛い場合は、クッションやマットなどで保護します。
- ※背骨(脊柱)は大きく分けると5つの部位に分けられます。お尻部分の骨を「尾骨(びこつ)」、お尻から腰にかけてを「仙骨(せんこつ)」、
ウエスト部分に「腰椎(ようつい)」、肺のうしろは「胸椎(きょうつい)」、首から頭にかけては「頚椎(けいつい)」といいます。
背骨(脊柱)は正面から見るとまっすぐですが、横から見るとS字状に湾曲しています。仙骨はお尻からおなかに向けて前傾しており、
腰椎は前方に湾曲、胸椎は後方に湾曲し、そこから喉付近ふたたび前方に湾曲、少し後方に戻って頭蓋骨に達しています。
重い頭を前後均等な配分のバネで支えているかのようです。
したがって、「きちんと背筋を伸ばすこと」を意識しすぎるあまり「背骨をまっすぐ」にしようしてしまうと、
1本の硬いまっすぐな棒で重い頭を支えながら2足歩行する状態で体幹が不安定となり、
頭から首、肩、背中、腰への負担が増えます。また仙骨が前傾していない状態では足の付け根が前方に向いてしまうため、
長時間の歩行や前後大きく伸ばしての歩行、あるいは腰に支障を感じることがあるかもしれません。
注)上記内容はあらゆる苦痛に当てはまるということを意味するものではありません。
痛みや違和感が出ていたり、生活に支障をきたすようであれば専門医に相談されることをお勧めします。
- ホットタオルの作り方:絞ったタオルをレンジで数秒から十数秒温めます。
- 肩こりを軽くする方法 2
- 手浴という方法で、ハンドバスともいわれています。血行が悪いときの肩こりに効果があります。
洗面器や洗面台に熱めのお湯を張ります。手首の上、約10cmほどのところあたりまでお湯につけ、しばらくおきます。汗がじんわりでるはずです。
- アロマテラピーハンドバス:お気に入りのアロマオイル(アロマオイルは精油ともいい、100%エッセンシャルオイルのことです)を1滴お湯に落とします。
アロマオイルの香りが立ちにくくなってきたら熱めのお湯を足します。({アロマテラピー})