ノートNO1


2.三才は、天人地のことで、説卦伝では「昔者(むかし)聖人の易を作るや、まさにもって性命の理に順(したが)わんとす。ここをもって天の道を立て陰と陽と。地の道を立て柔と剛と。人の道を立て仁と義と。三才を兼ねてこれを両にす。故に易は六画(りくかく)にして卦を成す」とある。
 初爻と二爻が地の位、三爻と四爻が人の位、五爻と上爻が天の位である。
 これを最も明確に示しているのが乾為天で、初爻は地の下で潜った龍で潜龍。二爻は地の上で地上に出た見龍。三爻は人の位で君子終日乾乾。四爻は人の位なので龍の言葉はないが正しい人の位でもないので惑う。五爻は天の位で君位なので、飛んでいる飛龍。上爻は天の位だが飛龍を過ぎているので亢龍となっている。
 六十四卦の最初で易の考え方が明確に示されているのも味わい深い所があるし、また、易の特徴として一度言ったら再度は言わないのでこれ以後は言わないが、総ての卦に当てはまることに留意してください。


1.六十四卦の先頭は乾為天、陽ばかりで強い卦といわれている。しかし、陽ばかりで陰がなく偏っているとも見えるし、また陰陽の交わりがないので良い面だけとは言えないのではないか。