乾為天
 全陽の卦
 八純卦
 十二消長卦














坤為地
 全陰の卦
 八純卦
 十二消長卦












水雷屯
 四難卦














山水蒙
 ハッキリしない
















水天需
 待つ












天水訟
 天水違行














地水師
 一陽五陰卦
















水地比
 一陽五陰卦













風天小畜
 一陰五陽卦

















天澤履
 一陰五陽卦
 女子裸身の象















地天泰
 十二消長卦
 三陰三陽卦の基本卦


















天地否
 十二消長卦
 三陰三陽卦の基本卦


















天火同人
 一陰五陽卦





















火天大有
 一陰五陽卦













地山謙
 一陽五陰卦
 男子裸身の象














雷地予
 一陽五陰卦
















澤雷随
 勢いが弱い

















山風蠱
 再建の卦
















地澤臨
 十二消長卦
 大震の象












風地観
 十二消長卦
 大艮の象












火雷噬こう
 頤中に物あり

















山火賁
 遠くが見えない
















山地剥
 十二消長卦














地雷復
 十二消長卦
 一陽五陰卦




















天雷无妄
 成り行き任せ



















山天大畜
 力を養い蓄える

















山雷頤
 口・養う













澤風大過
 背反の象














坎為水
 四難卦の筆頭
 八純卦


















離為火
 八純卦

 山風蠱は、山に風が遮られ皿に虫がわく卦とされあまり良いイメージがありません。
 しかし、彖辞は「蠱は元いに亨る。大川を渉るに利ろし。甲に先だつこと三日。甲に後るること三日。」で、彖伝は「蠱は、剛上りて柔下る。巽いて止まるは蠱。蠱は元いに亨りて天下治まるなり。大川を渉るに利ろしきは、往きて事あるなり。甲に先だつこと三日、甲に後るること三日とは、終ればすなわち始まりあり、天行なり。」で、象伝も「山下に風あるは蠱。君子もって民を振るい徳を育う。」とあり全く悪いことがありません。
 占いの場合どう調整をつけるのか?


:乾為天三爻
 乾乾→健々
 てき→憂い

乾為天五爻
 造→なす

乾為天上爻
 亢→高い






坤為地初爻
 馴致→なれていたる

坤為地二爻
 直方大→真直ぐで正方形で大きい

坤為地三爻
 章→あや

坤為地五爻
 黄→地の色
 裳→下半身の衣
 文→あや

坤為地上爻
 玄→くろ(空は奥深く暗い)→天の色

水雷屯初爻
 磐→大きな石
 桓→大きな柱

水雷屯二爻
 てん如→行き難む
 班如→進まない

水雷屯三爻
 虞→道案内人

水雷屯五爻
 膏→あぶら→恩沢

水雷屯上爻
 漣如→つらなって流れる涙

山水蒙初爻
 発→ひらく
 桎梏→手かせ、足かせ
 説く→はなす(脱)

山水蒙二爻
 克す→よくす

山水蒙上爻
 寇→荒らす



水天需初爻
 郊→郊外(遠い所)

水天需二爻
 沙→すな(外卦の水に近くなる)

水天需三爻
 泥→でい(水に接する)

水天需四爻
 血→坎の中(水は上から入り下から出るので出る) 

水天需上爻
 坎の上部→穴に入る



天水訟二爻
 ひろう→自ら取る

天水訟四爻
 渝→かえる

天水訟上爻
 はん帯→大きい帯
 褫わる→うばわる





地水師初爻
 律→軍律
 臧きも→よきも(よい)

地水師二爻
 天寵→天の寵愛
 懐ける→なつける(慣れ親しむ)

地水師四爻
 左次→退き止まる

地水師五爻
 執言→言い分をたてにとる
 弟子→次男以下



水地比初爻
 缶→ほとぎ(瓦器)

水地比五爻
 顕か→あきらか









風天小畜三爻
 輻→ふく(車のスポーク)
 室→身分ある人の妻

風天小畜五爻
 攣→れん(ひきつれる)

風天小畜上爻
 処る→おる(落ち着く)
 望→満月
 幾し→ちかし






天澤履二爻
 坦坦→広くたいら
 幽人→世間を離れた人

天澤履三爻
 眇→すがめ(よく見えない)
 跛→あしなえ(足が不自由)

天澤履四爻
 愬愬→ぎくりと驚くさま

天澤履五爻
 夬→決める

天澤履上爻
 祥→きざし

地天泰初爻
 茅→イネの多年草
 茹→つながる
 彙→同類の仲間
地天泰二爻
 包荒→こうをつつむ(荒れたものを包む)
 馮河→ひょうが(歩いて黄河を渡る)
 遐(とおい)遺(わすれる)せず→かいせず(遠きを忘れない)
中庸を取れば朋も亡ぶ
地天泰四爻
 翩翩→へんぺん(かるがしい)
地天泰五爻
 祉→さいわい
地天泰上爻
 隍→からほり(水のないり)


天地否二爻
 包承→ほうしょう(つつみうける)

天地否四爻
 命→天命
 疇→仲間

天地否五爻
 苞桑→ほうそう(群がった桑→根がしっかりしている)









天火同人二爻
 宗→宗族・一族

天火同人三爻
 戎→兵士
 莽→草むら

天火同人四爻
 かき→城壁

天火同人五爻
 號とう→大声で泣き叫ぶ
 大師→大軍










火天大有四爻
 彭→ほう(さかん)
 晢→あきらか(聡明)

火天大有五爻
 交如→交わる
 威如→威厳








地山謙初爻
 謙謙→謙遜なうえに謙遜

地山謙二爻
 鳴謙→謙遜で名声がとどろく

地山謙三爻
 労謙→功労があって謙遜する

地山謙四爻
 き謙→つとめてへりくだる



雷地予初爻
 鳴予→驕慢になり声を出す

雷地予三爻
 く予→うれえる

雷地予四爻
 由予→よりて

雷地予上爻
 冥予→暗い

澤雷随の四爻の爻辞や象伝の意味が理解できませんでした。
 太田済氏の「易」では、四爻は陽爻で剛毅、五爻の君のすぐ下に位置しているので、実力は君に等しいので望むものは得られるが、君の疑いが避け難いので正しくても凶になるので孚をもって道を外れてはならない。
 で理解しました。

澤雷随初爻
 渝る→変わる
澤雷随二爻
 小子→若者
 丈夫→立派な大人
澤雷随上爻
 拘係→捕えてつなぐ
 西山→岐山(周の西にある山)



山風蠱初爻
 蠱→事
 考→ちち(父)

山風蠱四爻
 裕→ゆたか

山風蠱上爻
 不事→つかえず
 其事→その事(蠱と引っかけたか?)





地澤臨初爻・二爻
 咸臨→感じてのぞむ

地澤臨三爻
 甘臨→甘くのぞむ

地澤臨四爻
 至臨→至りてのぞむ

地澤臨五爻
 知臨→知りてのぞむ

地澤臨上爻
 敦臨→あつくのぞむ



風地観初爻
 童観→童子の観方

風地観二爻
 うかがい観る→のぞき観る

風地観四爻
 国の光を観る→観光の語源




火雷噬こう初爻・上爻
 校→枷(刑罰の道具)

火雷噬こう二爻
 膚→はだえ(やわらかい肉)

火雷噬こう三爻
 せき肉→干した硬い肉

火雷噬こう四爻
 乾し→骨付きのさらに硬い肉

火雷噬こう五爻
 乾肉→干し肉



山火賁初爻
 趾→あし(足首より下)

山火賁二爻
 須→ひげ(あごひげ)

山火賁四爻
 は如→飾りのない白さ
 翰如→鳥の羽、しんが強い

山火賁五爻
 束帛→束ねた絹
 戔戔→わずか



山地剥初爻他
 牀→寝台

山地剥二爻
 辨→寝台の足の付け根

山地剥五爻
 宮人→宮中に仕えている人

山地剥上爻
 碩果→大きな果実
 廬→小屋




地雷復初爻
 不遠復→遠からずして
 祗る→抵る→いたる

地雷復二爻
 休復→よく(ありがたい・けっこうな・さいわい?)

地雷復三爻
 頻復→しきり

地雷復四爻
 独復→ひとり

地雷復五爻
 敦復→あつし

地雷復上爻
 迷復→まよう




天雷无妄二爻
 こなた→新たに開墾した田又は熟田
 あらきばり→荒れた田

天雷无妄三爻
 行人→通行人
 邑人→村人











山天大畜二爻
 輹→ふく(車軸につないで車体をのせる部品)

山天大畜三爻
 輿衛→車の護衛
 閑→ならう(習う)

山天大畜四爻
 こく→牛の角に付ける横木

山天大畜五爻
 ふんし→去勢された豕

山天大畜上爻
 衢(く)→四方に通じる大通り


山雷頤初爻
 爾→なんじ(近くにいる二人称の相手)←四爻(我)から観て
 頤→あご

山雷頤三爻
 払る(爻辞)→もとる
 悖る(象伝)→もとる






澤風大過初爻
 藉→しく
 白茅(はくぼう)→白いちがや

澤風大過二爻
 てい→切り株から生えた芽

澤風大過三爻・四爻
 棟(むなぎ)→屋根の上に横に貫いて通る長い木






坎為水三爻
 枕→意味不明、沈の誤字説に従う

坎為水四爻
 約(やく)→つつましい
 まど→明かりとりのまど

坎為水五爻
 祗る→抵る→いたる

坎為水上爻
 係→つなぐ
 徽ぼく→き・ぼく→共になわ
 ゥく→おく(=置く)
 叢棘→そうきょく→群がって生えるいばら→牢屋


離為火初爻
 錯然→入り乱れる
 敬む→つつしむ

離為火三爻
 昃→かたむく
 耋→70又は80歳の老人

離為火五爻
 沱若→涙がとどめなく流れるさま
 嗟若→なげく

離為火上爻
 醜→たぐい(仲間)
 

勉強小屋2


一言 | 勉強中
 乾為天から序卦伝の順序で徐々に一言を述べます。

(上 経)
 易占の中で重要なのは、片寄った見方をしないことが大事です。例えば、乾為天は陽だけの卦で、64卦の中では最も強い卦ですが、十二消長卦で観ると発展の極で後は下るしかないし、君子だったら強い卦を生かせるが、凡人だったら逆に強すぎて健康等を害する恐れがあると観る場合もあるのです、ですから、筮前の審事を充分に行ない、妥当な結論を導き出すことが占者には必要になるのです。

 乾為天の彖辞は、元亨利貞の実質四字、この言葉は他にも使われていますが、元亨で大いに通る、利貞で正しいことによろしい。
 初爻→潜龍→潜っている状態なので用いてはいけない(時期尚早)。
 二爻→地上に出る→時には大人に
 三爻→慎重を期す→反復の道
 四爻→迷う→進んで咎がない
 五爻→力を発揮する→大人がキーワード
 上爻→悔い有り→やり過ぎに注意、久しくない→長くない

 乾為天の正反対が坤為地で全陰、従う、柔順、弱い、消極的など。何事も先立たず、人の後に続くのがよい。
 初爻→霜が氷に→次第に悪くなる・早く手を打つ
 二爻→地の道が大きい→坤の特性を生かす
 三爻→含章→今は才能を包み隠す
 四爻→袋を括る→才能・お金等を出さない
 五爻→文中→中庸を守る
 上爻→戦う・窮まる→積極的に出ない

 坤為地の次は、水雷屯で四難卦の一つ、彖伝では、剛柔が始めて交わり難みが生ずと。とにかく悩みや苦労が多い時。
 初爻→磐(大きい石)桓(大きい柱)→動くな
 二爻→難は剛に乗る、十年→時間がかかる
 三爻→往けば窮まる→全体を見失う
 四爻→往けば吉→初爻の求めに応じて往く(自分からは不可)
 五爻→滞った状態→時期を待つしかない
 上爻→血の涙・長くはない→どん底

 水雷屯の次は、山水蒙ではっきりしない状態、蒙昧な状態の時。険にして止まる(彖伝)、行ないを果たし徳を育う(大象伝)→何事にも慎重にして準備をしっかり行なう。
 初爻→蒙昧な状態(改心する)、往けば吝(不可)
 二爻→蒙を包む(先生役)→妻や子は良
 三爻→行ない順ならず→不可
 四爻→蒙に苦しむ、吝→導いてくれる人がいない(不可)
 五爻→二爻に素直に従えば吉
 上爻→出しゃばり不可→つつしむ

山水蒙の次は、水天需で待つ(彖伝)状態の時。飲食宴楽す(大象伝)。準備しながら時期を待つのが良い。
 初爻→遠くで待つ→常を失わない
 二爻→小言あるが→吉で終わる
 三爻→動かない→動くと失敗する
 四爻→血に待つ→五爻に従う
 五爻→酒食に待つ→余裕を持って待つ
 上爻→援助者が来る→これを敬する

水天需の次は、天水訟で訴え・争う状態の時。しかし、相手が健で、当方が坎で塞がる(彖伝)。終わりまで行かなければ吉で、行けば凶。大人を用いる。
 初爻→長くしないで終わらす
 二爻→勝たない→帰り・逃れ・隠れる
 三爻→旧に戻る→さからわない
 四爻→勝たない→考え方を変える
 五爻→勝つ・問題が解決する
 上爻→奪われる・敬するに足りない(悪評)

天水訟の次は、地水師で争う・戦う状態の時。二爻のみが陽爻で丈人。大象伝は、地下水と見て衆を養うと観る。
 初爻→規律が大事→守れないと凶
 二爻→命を錫う、天の寵を受ける→積極策で行動する
 三爻→功がない、凶→実力不足
 四爻→消極策が可(撤退や止まる)
 五爻→勝敗は使う人による、二爻なら勝てるし、三爻なら負けるし、四爻なら勝敗なし
 上爻→論功行賞が必要、小人は不可

地水師の次は、水地比で親しむ、助け合う状態の時。五爻の君主のみが陽爻で、他は陰爻で従う状態。五爻のところに行くことが大事。
 初爻→他の吉あり→思いかげない吉がある
 二爻→自らを失わない→目移りしない
 三爻→人にあらず、傷ましい→何事も凶
 四爻→上に従う→逆らわない
 五爻→去るもの追わず、来るもの拒まず
 上爻→首なし、終わりがない→何事も凶

水地比の次は、風天小畜で少し蓄える・養う・止めるの状態の時。四爻の柔が内卦の乾を止めるが、力が弱いので少しだけ。雨が降らない→陰陽の和合がまだの状態。
 初爻→応爻の四爻に止められるので進まない
 二爻→帰ることになるのでやはり進まない、制御可能
 三爻→反目、制御不能→行きたい気持ちが強い、自信過剰で失敗する
 四爻→危険を防止するには上と協力する
 五爻→協力して可、単独不可
 上爻→行くは不可、疑いあり

風天小畜の次は、天澤履で礼を踏む、踏むべき道にあたる。外卦乾の剛健な人に内卦兌の弱いものが悦んでつき従う状態の時。
 初爻→独りで行なう→応爻・比爻がないのでコツコツと努力する
 二爻→独りで静かに努力する時→表面に出ない時
 三爻→能力が足りないのに出たがる→危険あり
 四爻→慎重なら最後には吉あり
 五爻→決定事項に危うさがある
 上爻→道を反省しながら進めばよい

天澤履の次は、地天泰で安泰、通じる状態の時。上が地で、下が天により、地が下り天が上りて交わり通ずる状態と観ます。ただし、天地の交わりなので時間はかかるとも観ます。
 初爻→他の人と一緒で吉、行けば吉
 二爻→安泰な時、中庸を心かげる
 三爻→陽の際、今は安泰でも傾く、進むことは控え、継続中のものは早めにまとめる
 四爻→富まない、実(じつ)を失うので要注意
 五爻→運気下り坂、中庸を心かげる、二爻の部下を用いること可
 上爻→衰退・崩壊の時、強気不可、守りに徹する

地天泰の次は、天地否で泰とは逆に、通じない、塞がる状態の時。交わらない状態の時と観ます。人にあらずで正しいことも通じないので、時を待つしかない。
 初爻→他の人と一緒で可、貞にすべし
 二爻→包み隠して従う、積極絶対不可
 三爻→恥を包み隠す、否の際で最悪の状態の時
 四爻→やっと否の峠を越えて光りが見えるが、まだ否の中であることをわきまえる
 五爻→否がお休みする、無理をしない
 上爻→やっと否が終わりそう、次への心の準備をする

天地否の次は、天火同人で人と同じ、同じくする時。二爻のみが陰で、これを求めてみんながそれぞれ頑張る時。
 初爻→外に出て可、人と同じくする時
 二爻→本来は五爻と応じているので良いのだが、人と同じくする時に特定の人とのみ和合すると吝となってしまう
 三爻→二爻と比爻なので親しもうするが五爻が強くて思いを遂げられない
 四爻→二爻に関心を持つが五爻が強く、応比の関係がないのであきらめることができる
 五爻→思いを遂げることはできるが、三爻・四爻の妨害があるので簡単にはゆかない
 上爻→二爻とは遠いので心を乱すことはないが、それだけに寂しい思いもする、孤立無援の状態

天火同人の次は、火天大有で大いに有する状態。陰爻が唯一君主の五爻にあり、五陽爻を有するので大いに有するという。
 初爻→害に交わるなし→誘惑に乗らない
 二爻→大車に載せる、行く→積極的に進む
 三爻→公用享す→私欲に走らない
 四爻→運気強いが、やり過ぎに注意する
 五爻→盛運、硬軟両様が必要
 上爻→運気盛ん、天の恵みも

火天大有の次は、地山謙で謙遜、へりくだる状態をいう。彖伝では、天道・地道・鬼神・人道を使って説く。三爻のみが陽で、世話苦労があったり、実力が発揮できない状態。
 初爻→ひくくする→下手に出る
 二爻→貞吉→三爻に従う
 三爻→労多し→終り有り→やりとげる→信頼を受ける
 四爻→謙をまねく→控え目にする
 五爻→富まず、強硬手段も拒まず
 上爻→謙を行なうが、強硬手段も拒まず

地山謙の次は、雷地予で悦び楽しむ、怠るなという状態をいう。内卦は地、外卦は雷の春雷で春が来て悦ぶ、気が緩むので怠るなという意味がある。
 初爻→窮まりて凶→時期尚早、不可
 二爻→石のように堅い、日を終えず→堅く守り、間違いがあったら直ちに改める
 三爻→後悔多し、反省が必要
 四爻→大いに得る、疑うな→積極的に
 五爻→疾あるが死には至らない→思い通りに行かないことが死につながらない
 上爻→楽しみふける→反省が必要

雷地予の次は、澤雷随で従う状態をいう。兌の秋で雷が静かにしており、時に従う。彖辞は元亨利貞に咎なしを付けて従うことの大事さを述べている。
 初爻→正に従う、出て交わる
 二爻→初爻(小事)に係わり、五爻(大事)を失う
 三爻→二爻と逆、上に従い、下を捨てる
 四爻→従いて獲るあり→貞凶(立場的に難しい、注意が必要)
 五爻→誠に従って吉、順調を得る
 上爻→拘係(身動きができない)、維ぐ(団結する)

澤雷随の次は、山風蠱で字的には腐る(山により風が遮られ物が腐る)のだが、彖辞・彖伝・大象伝いずれもそう観ていない。
 初爻→蠱を処理する→危ういが終には吉(但し陰爻なので苦労する)
 二爻→蠱を処理する→中庸を心かげる
 三爻→少し悔い有り→大きな咎はない(やり遂げるしかない)
 四爻→能力不足、蠱を処理しない
 五爻→誉れがある(頑張る)
 上爻→煩わしさから逃げ出す、引退する

山風蠱の次は、地澤臨でのぞむ、十二消長卦で陽が長じる状態。大震の象もある。病占の場合は、進むことになるので悪く観ることもある。
 初爻→二爻とともに陽だが、初爻には貞が付く
 二爻→こちらは不利なしの盛運
 三爻→甘くのぞむ→反省しなければ不可
 四爻→至りてのぞむ→初爻と親しむ
 五爻→知りてのぞむ→中庸で順調
 上爻→あつくのぞむ→内部を整える

地澤臨の次は、風地観で観る、十二消長卦で陰が長じる状態。大艮の象もある。陰が長じるので衰退の状態になる。
 初爻→童観→見方が幼稚なので注意する
 二爻→のぞき観る→見方が狭いので注意
 三爻→自分を観る→反省しながら進む
 四爻→観光、賓客→よく観察する
 五爻→民を観る→自分の行ないを観られる
 上爻→生を観る→不満・気苦労がある時

風地観の次は、火雷噬こうで口中に物がある状態。四爻の陽が障害物になり、これを噛み砕くことにより悩みが解消する。彖辞は獄、大象伝では罰・法と観ている。
 初爻→足を滅す→行かない
 二爻→剛に乗る→柔軟に対応する
 三爻→毒にあう→苦労する
 四爻→艱貞に良い→困難に耐えて努力する
 五爻→正しけれども危うい→途中で投げ出さずに頑張る
 上爻→耳をなくす(聡明でない、聞く耳を持たない)→大凶

火雷噬こうの次は、山火賁で飾る状態。山の下に火があり、下から照らして山を飾る。山下の火なので遠くは見えない状態でもある。また、火雷噬こうと同じく、三爻の陽が障害物と観る場合もあり。
 初爻→足を飾る→歩く、地道にゆく
 二爻→ひげで飾る→上に従う
 三爻→濡れる(飾る・飾りでだまされる)→永貞にして吉
 四爻→疑う→誘惑に乗らない
 五爻→質素に飾る→得るものは少ない
 上爻→白く飾る→地味が良い

山火賁の次は、山地剥で剥ぎとられる状態。十二消長卦で陽は上爻のみで陰の勢いが強い。行くは不可。衰退の時、担がれるとも観る。
 初爻→足を剥ぐ→遠いが危険
 二爻→弁を剥ぐ→初爻より近ずく
 三爻→上下を失う→仲間と別れる
 四爻→膚を剥ぐ→身に迫る(手遅れも)
 五爻→魚を貫く、寵→魚は陰物でそれが連なるので仲間が連れだって来る、愛顧を受ける
 上爻→剥される→非常に危険、落ちる

山地剥の次は、地雷復でかえる状態。陽が初爻にかえって来たので、しかしその陽がまた陰にかえると坤為地になり全陰となってしまうので状態としては微妙な状態。十二消長卦で陽が長じる状態でもある。彖辞では七日来復とある。
 初爻→遠くに行かないでかえる→反省しながら行動する
 二爻→仁(初爻)に下る→初爻に従う
 三爻→しきりにかえる→迷う
 四爻→ひとりかえる、道に従う→正しい道を独りで行く
 五爻→かえるにあつい、自ら考える→元に戻ることも
 上爻→かえるに迷う、道に反する、災いあり、十年(最長期間)不→大凶

地雷復の次は、天雷无妄で自然のままにという時。行くは原則不可。欲張ったり・小細工すると災いがある。
 初爻→卦の初めで成り行きに任せて自然に行っても良い
 二爻→今は自然のままに無欲で務めを果たす時
 三爻→思いがけない災いを受ける
 四爻→固く正道を守ること
 五爻→心配事があっても自然の成り行きにまかせる。
 上爻→初爻と反対、卦の極で行けば災いになる。窮まってしまう。

天雷无妄の次は、山天大畜で大いに養う・止めるという時。風天小畜は少しくだが、こちらは大いに。止められるというよりも、止まって大いに徳を養うという意味が強い。
 初爻→危うい、止めた方が良い、やると災いになる。
 二爻→車から降りて一時休憩(行かない)
 三爻→実力を身に付ける→付いたら行っても良い。但し、自己判断ではなく上の意見に従う。
 四爻→何事も安全第一で
 五爻→無理をしないこと
 上爻→道が開かれる→大いに進め

山天大畜の次は、山雷頤で口の形で養うという時。外卦が艮で押さえ、内卦が震で動くという口の機能そのもの。大象伝では言語を慎みなさいとも。
 初爻→他のものがほしくなる→凶
 二爻→常道に反する→行けば凶
 三爻→良いところがない→大凶
 四爻→施しを受けられる
 五爻→常道に反する→上に従う
 上爻→他を養う→喜びあり

山雷頤の次は、澤風大過で大いに過ぎるという時。二陰四陽で陽が過ぎるのだが、彖辞では悪く観ていない。
 初爻→受身で慎重に
 二爻→あきらめていたことに望みが
 三爻→荷が重い、助けもなし→凶
 四爻→荷は重いが頑張れる、他に心を動かすと不可
 五爻→あだ花、一時のみ
 上爻→荷が過ぎる→不可

澤風大過の次は、坎為水で四難卦の筆頭、険にまた険がある状態で最悪だが、心は通じるので勉強や精神的なことには良い。
 初爻→穴の中の穴に陥るので最悪の状態
 二爻→求めて少しだけ得られる(但し、坎の中で苦しい)
 三爻→行くも退くも坎、終には功なし(初爻に次いで悪い)
 四爻→苦しい時、何事も質素に
 五爻→苦しいが、辛抱すればもう少しで坎から抜けられる
 上爻→坎の極で終わりそうだが、坎の場合苦しいのが極まって三年間続くことになる、残念。

坎為水の次は、上経最後の離為火で明るい、付くと、離れる状態。彖辞では雌牛を養えば吉とあり、逆に観れば激しいと観ているかも、彖伝では麗(つ)くと、大象伝では明と観る。
 初爻→離の始めでまだ夜明け、周りがはっきりしない、行動は慎重に
 二爻→離明の主、有利に展開する、中庸を心がける
 三爻→夕暮れでなげく、一区切りつける
 四爻→災難にあう、居られる場所がない→凶
 五爻→なげき、悲しむ
 上爻→進むには、時には強硬手段も