爻・上経2


爻の見方(流れ・位置)

地天泰
初九(正) 初爻は位がないので在野の君子、通じる時なので内卦の陽と一緒に外(上)に進む。

九二(中・不正) 二爻は陽の中にありかつ中庸があり、包容で果断で遠くさえも忘れない心があり私情に流れなければ大いに吉を得る。

九三(正) 三爻は泰が極まった状態、極まればあとは下降しかないが、その中でも正しければ幸いはある。

六四(正) 四爻は泰が傾く状態になる、まことをもって実を失うことに注意する。

六五(中・不正) 五爻は陰爻で君位にある、二爻の陽爻と応じているので、中(二爻・五爻)をもって願を行なう。

上六(正) 上爻は泰が極まってしまう。窮まるので思うように行かない。強行策は不可。

天地否
初六(不正) 初爻は否中の否で小人の世の中なので、貞固にしてはじめて吉にして通ることができる。

六二(柔順中正) 二爻は否中の否ではあるが中にあるので中庸を保てば小人は吉で大人は否を通ることができる。

六三(不正) 三爻はまだ否中の否で恥を抱えた状態。

九四(不正) 四爻はやっと否中の否を抜けた、天命があれば幸いに向かうことができる。

九五(剛健中正) 五爻は剛健中正で否を休むことができる、否中にあるので警戒が必要。

上九(不正) 上爻はやっと否が傾く状態になる。もう少しで喜びがある。

天火同人
初九(正) 初爻は同人の始め、門を出て人と交わること。

六二(柔順中正) 二爻は唯一の陰爻で注目の的、五爻と応じているので交わるが、同人の卦なので吝となる。

九三(正) 三爻は陽位の陽爻で剛に過ぎ、二爻を無理に求めるが、得られない。

九四(不正) 四爻は陽爻で二爻を求めるが応比なく陰位にいるので無理はしない。

九五(剛健中正) 五爻は剛健中正で二爻の柔順中正に応じているので普通なら良いが、同人の卦なので特定の人と交わるには苦労を伴う。

上九(不正) 上爻は二爻から遠いので悔いはないが志は得られない。

火天大有
初九(正) 初爻は大有の始めでまださほど大有になっていないので傲慢さはなく、傲慢による害はないこと。

九二(中・不正) 二爻は内卦の中で陽剛で能力が高く五爻の君主に応じているので大任を任されること。

九三(正) 三爻は陽位の陽爻で位が正しく五爻の君主によく仕えることができる。しかし、小人は不正となり不可となる。

九四(不正) 四爻は陽爻で剛にあるが陰位にいるので謙譲することができるので咎がない。

六五(中・不正) 五爻は離明の主で、柔順で中庸があり君位にいるので他の剛爻を御することができる。ただし、硬軟両様が必要。

上九(不正) 上爻は大有の極にいて、四爻と同じく陰位にいるので謙譲することができれば天も助けてる。

地山謙
初六(不正) 初爻は通常は初めと見るが、低いと見て、謙遜の上にも謙遜な態度をとれて、初爻なのに大川さえも渡れると見る。

六二(柔順中正) 二爻は柔順中正で謙の徳が大きく、謙遜であることの名声がとどろくと見る。

九三(正・成卦主) 三爻は唯一の陽爻で苦労するが最後には吉を得られると見る。

六四(正) 四爻は陰位の陰爻で位正しく柔順なので謙を発揮するに不利はない。

六五(中・不正) 五爻は君位で陰爻なので下の者に謙遜になるのこができる、従わない者は征する。

上六(正) 上爻は謙の卦の極なので謙遜が極まる。それでも従わない者は征する。上二爻は謙遜にするが力を用いることもあり皮肉。

雷地予
初六(不正) 初爻は四爻と応じており、和楽してしまい驕慢になり、凶となってしまう。

六二(柔順中正) 二爻は四爻と応比なく、柔順中正の徳を持ち、溺れずに身を正しくすることができる。

六三(不正) 三爻は四爻と比しており、かつ陽位の陰爻で不正なため身を正せず見上げる。悔いがある。

九四(不正・成卦主) 四爻は唯一の陽爻で大臣の位にいて、大いに能力を発揮することができる。

六五(中・不正) 五爻は死んではいないが、疾を抱えているようなもの。

上六(正) 上爻は楽しむ極にいて暗くなっている。変われば立ち直れるが、時間はない。

澤雷随
初九(正) 初爻は内卦震の主爻、仕事が変わることがあっても外に出て広く交際すれば功があること。

六二(柔順中正) 二爻は柔順中正で位は正しいが、従うには近くの方が従いやすいので初爻に従ってしまう。

六三(不正) 三爻は丈夫に従うので当然ではあるが、位が不正なので正しい道を心がけなければならない。

九四(不正) 四爻は陽爻で能力があるので大いに得ることはできるが、不正なので君主に疑われないようにしなければならない。

九五(剛健中正) 五爻は剛健中正だが、四爻も能力があるので信じることができれば喜びがある。

上六(正) 上爻は従う極におり、固く団結することができる。

山風蠱
初六(不正) 初爻は蠱の始めで大きくはない状態、陰爻で能力は大きくはないがなんとか正すことができる。

九二(中・不正) 二爻はしっかり者の子だが、相手が母なので慎重に対処しなければならない。

九三(正) 三爻は蠱も徐々に大きくなるが、陽位の陽爻でやり過ぎるがそれでも大きな咎にはならないですむ。

六四(正) 四爻は蠱がさらに進むが陰位の陰爻で能力不足で蠱を大きくしてしまう。

六五(中・不正) 君位にあるが陰爻なので自分では困難だが、幸い能力のある二爻が応じているいるので、これを用いて正すことができる。

上九(不正) 卦の極で蠱も解消して、高尚に身を処することができる。

地澤臨
初九(正) 初爻は臨の始め、感じて相手に臨(のぞ)む。ただ貞正さ必要。

九二(中・不正) 二爻は中庸の徳で君主を感じさせることができる。吉にして不利はない。しかし、上はなかなか従ってくれない。

六三(不正) 三爻は甘く感じる。不正だが、反省すれば正しい道に行ける。

六四(正) 四爻は正しく感じることができる。初爻を用いれば咎はない。

六五(中・不正) 五爻は知恵をもって感じることができる。二爻を用いれば大君となることができる。

上六(正) 上爻は厚く感じることができる。内卦の陽爻を手厚くすれば吉にして咎はない。

風地観
初六(不正) 初爻は陰爻で最下位にあるので見方が低くわらべの見方しかできない。

六二(柔順中正) 二爻は柔順中正で女性の見方で広く外に出ての見方ではない。

六三(不正) 三爻は自分自身の進退に関しての見方。

六四(正) 四爻は陰位の陰爻で位が正しく、五爻の剛健中正の君主に近くにいるので国の光りを正しく見ることができる。

九五(剛健中正) 五爻は剛健中正の君主、民を見れば自分の行ないの正しさを見ることができる。

上九(不正) 上爻も下から見られているので安心できない。