火雷噬こうは、彖辞では獄と見ているので、刑罰や警察に関係する卦とも見ます。

火雷噬こう


火雷噬こう(口盍)は障害物あり

山雷頤(口)の状態に四爻の一陽が障害物ありと見る。口の中の障害物を噛み砕く。

@障害が生じる時。
A障害物は噛み砕くことにより解消できる。
B頤中にものありで、食べて行ける。

彖辞 噬こうは、亨る。獄をもちうるに利ろし。

彖伝 頤中に物あるを噬こうという。噬み合わせて亨る。剛柔分れ、動いて明らか、雷電合して章らかなり。柔、中を得て上り行く。位に当らずといえども、獄をもちうるに利ろしきなり。

象伝 雷電は噬こうなり。先王もって罰を明らかにして法をととのう。

(爻辞)
初爻 校を履いて趾を滅す。咎なし。
二爻 膚を噬んで鼻を滅す。咎なし。
三爻 せき肉を噬みて毒に遇う。小しく吝なれども咎なし。
四爻 乾しを噬み、金矢を得。艱みて貞なるに利ろし。吉。
五爻 乾肉を噬み、黄金を得。貞しけれども獅、くして、咎なし。
上爻 校を何いて耳を滅す。凶。

(小象伝)
初爻 校を履いて趾を滅するは、行かしめざるなり。
二爻 膚を噬んで鼻を滅するは、剛に乗ずればなり。
三爻 毒に遇うは、位当らざればなり。
四爻 艱みて貞なるに利ろしの吉は、いまだ光いならざるなり。
五爻 貞しけれども獅、くして咎なきは、当を得ればなり。
上爻 校を何いて耳を滅するは、聡明ならざればなり。