澤天夬は、決し去ると去られるの両面あるが、決し去られると見る方が多い、どっちをとるかは筮前の審事による。

澤天夬


澤天夬は残り一陰を決する卦

決し去る、決し去られる、決潰するなど。

@十二消長卦で残り一陰の勢いが強い時
A一陰五陽卦で競争が厳しい
B残り一陰がなくなれば、澤が乾になり止水が決壊する。

彖辞 夬は、王庭に揚ぐ。孚あって号ぶ、獅、きことあり。告ぐること邑よりす。戎に即くに利しからず。往くところあるに利ろし。

彖伝 夬は、決なり。剛、柔を決するなり。健にして説び、決して和す。王庭に揚ぐるは、柔五剛に乗ればなり。孚ありて号び獅、きことあるは、それ危ぶめば、すなわち光いなるなり。告ぐること邑よりし、戎に即くに利ろしからざるは、尚ぶところすなわち窮まるなり。往くところあるに利ろしとは、剛長ずればすなわち終るなり。

象伝 沢、天に上るは夬。君子もって祿を施して下に及ぼす。徳に居れば、すなわち忌む。

(爻辞)
初爻 趾を前むるに壮なり。往けば勝たず、咎と為す。
二爻 タれて号ぶ。莫夜に戎あるも恤うるなかれ。
三爻 つらぼねに壮なり。凶あり。君子は決すべきを決す。独り行けば雨に遇う。濡るるがごとく、慍らるることあれど、咎なし。
四爻 臀に膚なし。その行くこと次且たり。羊に牽かれて悔い亡ぶ。言を聞きて信ぜず。
五爻 けん陸、決すべきを決す。中行なれば咎なし。
上爻 号ぶなし。終に凶あり。

(小象伝)
初爻 勝たずして往くは、咎なり。
二爻 戎あるも恤うるなかれとは、中道を得ればなり。
三爻 君子、決すべきを決すは、終には咎なきなり。
四爻 その行くこと次且たるは、位当らざればなり。言を聞きて信ぜざるは、聡明ならざるなり。
五爻 中行咎なきは、中いまだ光いならざるなり。
上爻 号ぶなしの凶は、終に長かるべからざるなり。