天火同人
天火同人は人と同じくする卦
二爻が難しい。
外卦の天と内卦の離を同類と見て同人といいますが、一陰五陽卦で競争が激しく、二爻は陰位の陰爻で柔順中正で、五爻の陽位の陽爻で剛健中正に応じており、普通なら良い爻と見られますが、同人という広く付き合いなさいという卦では反対に良く見られていない。ここが、易を難しくしています。
@一陰五陽卦(競争が激しい)
A人と同じ
B人と一緒にやる
彖辞 同人、野に于てす。亨る。大川を渉るに利ろし。君子の貞に利ろし。
彖伝 同人は、柔、位を得、中を得て、乾に応ずるを同人という。同人野に于てす、亨る、大川を渉るに利ろしとは、乾の行いなり。文明にしてもって健、中正にして応ず、君子の正なり。ただ君子のみよく天下の志を通ずることを為す。
象伝 天と火とは同人。君子もって族を類し物を弁ず。
(爻辞)
初爻 同人、門においてす。咎なし。
二爻 同人、宗においてす。吝。
三爻 戎を莽に伏せ、その高陵に升る。三歳興らず。
四爻 そのかきに乗るも、攻むる克わず。吉。
五爻 同人、先には号とうし、後には笑う。大師で克ちて相い遇う。
上爻 同人、郊においてす。悔なし。
(小象伝)
初爻 門を出でて人に同じくす、また誰か咎めん。
二爻 同人、宗においてするは、吝の道なり。
三爻 戎を莽に伏するは、敵剛なればなり。三歳興らずは、どうして行けようか。
四爻 そのかきに乗るも、義として克わざるなり。その吉は、すなわち困しみて則に反ればなり。
五爻 同人の先は、中直をもってなり。大師で相い遇うは、克ちて相うを言うなり。
上爻 同人、郊においてすとは、志、いまだ得ざるなり。