損は、
 益とワンセットで考えること。下を損し上を益すのが損で、その反対が益となり。上から見ればまた下からとは反対となる。

山澤損


損は、下を損する、減らす卦

 地天泰の三爻の陽が上爻に往き、下を損して上を益する象。

@損をする時
A世話苦労がある時

彖辞 損は、孚あれば、元吉にして咎なし。貞しくすべし。往くところあるに利ろし。曷をかこれを用いん。二きもって享すべし。

彖伝 損は、下を損して上に益し、その道、上り行く。損して孚あれば、元吉にして咎なし、貞しくすべし、往くところあるに利ろし、曷をかこれ用いん、二きもって享すべしとは、二き、時あるに応ず。剛を損して柔を益するに時あり。損益盈虚は、時と偕に行なわる。

象伝 山下に沢あるは損。君子もって忿りを懲らし欲を窒ぐ。

(爻辞)
初爻 事を已めて?かに往けば、咎なし。酌みてこれを損すべし。
二爻 貞しきに利ろし。征けば凶。損せずしてこれを益す。
三爻 三人行けば、すなわち一人を損す。一人行けば、すなわちその友を得。
四爻 その疾いを損す。すみやかならしむれば喜びあり。咎なし。
五爻 あるいはこれを益す。十朋の亀も違う克わず。元吉。
上爻 損せずしてこれを益す。咎なし。貞しければ吉。往くところあるに利ろし。家なくして臣を得る。

(小象伝)
初爻 事を已めてすみやかに往くとは、志を合わすことを尚ぶなり。
二爻 九二の貞しきに利ろしきは、中もって志となせばなり。
三爻 一人なれば行き、三なれば則ち疑うなり。
四爻 その疾いを損するは、また喜ぶべきなり。
五爻 六五の元吉は、上より祐くるなり。
上爻 損せずしてこれを益するは、大いに志を得るなり。