剥は、
 人にすれば老衰、日にすれば夕暮れ時。

山地剥


剥は、剥ぐ、剥ぎとられるという卦

 十二消長卦で陰が長じ、陽は上爻のみで、最後の一陽を剥ぐ。

@十二消長卦で衰退の時
A剥ぎとられる状態の時
B小人にやられる時
C五陰の上の一陽で、担がれる時

彖辞 剥は、往くところあるに利ろしからず。

彖伝 剥は剥ぐなり。柔、剛を変ずるなり。往くところあるに利ろしからずは、小人長ずればなり。順にしてこれに止まるは、象を観るなり。君子は消息盈虚を尚ぶは、天行なればなり。

象伝 山、地に附くは剥。上もって下を厚くし宅を安んず。

(爻辞)
初爻 牀を剥すに足をもってす。貞を蔑す。凶。
二爻 牀を剥すに弁をもってす。貞を蔑す。凶。
三爻 これを剥す。咎なし。
四爻 牀を剥すに膚をもってす。凶。
五爻 魚を貫く。宮人の寵をもってす。不利なし。
上爻 碩果食われず。君子は輿を得、小人は盧を剥す。

(小象伝)
初爻 牀を剥すに足をもってするは、もって下を滅するなり。
二爻 牀を剥すに弁をもってするは、いまだ与するあらざるなり。
三爻 これを剥して咎なきは、上下を失えばなり。
四爻 牀を剥すに膚をもってするは、災いに切近するなり。
五爻 宮人の寵をもってするは、終に尤なきなり。
上爻 君子、輿を得るは、民の載するところなり。小人、盧を剥するは、終に用うべからざるなり。