山水蒙
蒙は、昧(くら)くてハッキリしない、明らかでないという卦
外卦の山に、内卦の霧(水)がかかり、はっきり見えない状態。
@知識・経験・世間に昧い時
A物事がハッキリしない時
B新規・積極策不可
C学問・修業には可
彖辞 蒙は、亨る。我れ童蒙を求むるにあらず。童蒙より我を求む。初筮は告げる。再三すれば:けがる。けがるればすなわち告げず。貞しきに利ろし。
彖伝 蒙は、山下に険あり。険にして止まるは蒙。蒙は亨るとは、亨るをもって行きて時に中するなり。我より童蒙を求むるにあらず。童蒙、我を求むとは、志応ずるなり。初筮は告ぐとは、剛中をもってなり。再三すればけがる。けがるればすなわち告げずとは、蒙をけがせばなり。蒙もって正を養うは、聖の功なり。
象伝 山下に出づる泉は蒙。君子もって行ないを果たし、コを育う。
(爻辞)
初爻 蒙を発く。もって人を刑するに利ろし。もって桎梏を説く。もって往けば吝なり。
二爻 蒙を包む、吉。婦を納る、吉。子、家を克くす。
三爻 女を取るに用うるなかれ。金夫を見て躬をたもたず。利ろしきところなし。
四爻 蒙に困しむ、吝なり。
五爻 童蒙、吉なり。
上爻 蒙を撃つ。寇をなすに利ろしからず。寇を禦ぐに利ろし。
(小象伝)
初爻 もって人を刑するに利ろしとは、もって法を正すなり。
二爻 子、家を克くするは、剛柔接ればなり。
三爻 女を取るに用うるなかれとは、行ない順ならざればなり。
四爻 蒙に困しむの吝なるは、独り実に遠ければなり。
五爻 童蒙の吉は、順にしてもって巽えばなり。
上爻 もって寇を禦ぐに利ろしきは、上下順しむなり。