明夷は、
 殷の最後の王の紂と周の文王、叔父の箕子との関係を説いている卦でもあります。

地火明夷


 明夷は、暗い、明るいものが破れる卦

 太陽が地に没している状態で暗い。

@真夜中の卦
A正しいことが通らない時
B能力があっても発揮できない時
C苦労や悩みがある時

彖辞 明夷は、艱貞に利ろし。

彖伝 明、地中に入るは明夷。内文明にして外柔順、もって大難を蒙る。文王これをもちゆ。艱貞に利ろしとは、その明を晦ますなり。内難みてしこうして能くその志を正しくす。箕子これをもちゆ。

象伝 明、地中に入るは明夷。君子もって衆に莅み、晦きを用て明らかなり。

(爻辞)
初爻 明夷る、于き飛びその翼を垂る。君子于き行きて、三日食わず。往くところあれば、主人、言あり。
二爻 明夷る、左の股を夷る。もって拯うに馬壮んなれば吉。
三爻 明夷る。南に于きて狩りし、その大首を得。疾く貞すべからず。
四爻 左腹に入りて、明夷の心を獲。于きて門庭を出る。
五爻 箕子の明夷。貞しきに利ろし。
上爻 明かならずして晦し。初め天に登り、後に地に入る。

(小象伝)
初爻 君子于き行くは、義、食らわざるなり。
二爻 六二の吉は、順にしてもって則あればなり。
三爻 南にこれを狩る。志は、すなわち大いに得るなり。
四爻 左腹に入るは、心意を獲るなり。
五爻 箕子の貞は、明、息むべからざるなり。
上爻 初め天に登るは、四国を照らすなり。後に地に入るは、則を失うなり。